「まず自分が幸せでないと、誰かを幸せにすることなんてできない」 そう、おっしゃていた人がいました。 僕は納得できず、反論しました。 僕にとっての〈優しさ〉とは、「自分よりも、相手のことを優先する」ことだったからです。 でも、間違っているのは、僕のほうかもしれません。 ただ、僕にはそんな生き方しかできないのです。 僕の親友は、そんな僕のことを 「あなたって、『ちいさなくれよん』みたいな人よね」…と言いました。 そう言われて、僕自身も深くうなずきました。 「そうだよね。ああいう生き方って憧れるよね」…と。 「僕もいつか、ああして星になりたいな」…と思っています。 という話を彼女にしたら、彼女は 「そっか。わたしは、あなたは『幸福の王子』だと思ってたよ」…と言いました。 それも納得でした。 「でも、『幸福の王子』は、まず裕福だったから、みんなを助けられたんだもんな~」…と、 例の「まず自分が幸せでないと~」という説を思い出し、哀しくなりました。 すると、彼女は続けてこう言いました。 「それで、わたしが、ツバメだからね」…と。 感動しました。彼女には心から感謝しています。本当にいつもありがとう。愛してるよ。 え~、まったくもってエンターテインメント性のないお話でした。ごめんなさい。 最近、どうもこんな感じですいません。 それでは、気を取り直しまして、レビューいたします~。 折れて短くなってしまった黄色いくれよんは、くずかごの中に 捨てられてしまいました。 「お~い ぼく まだかけますよ~」 そう叫んでも、誰も聞いてくれません。 「でも ぼくにも まだできること あるはずだよ」 そう思ったくれよんは、旅に出ます。 そして出会った、色がかすれて消えそうだったヒヨコの絵に、 黄色い色を塗ってあげることにしました。 おもちゃの自動車、道端の石ころ、誰かのことを塗るたびに、 くれよんの体は、どんどんと短くなっていきました。 そしてとうとう、もう豆つぶのようになってしまいました。 すると夜空に、消えそうになっているお星さまがありました。 そこでくれよんは、そのお星さまを塗るために、最期の力を振り絞って飛んでいくのでした。 …というようなお話です。 文章も絵も、今読むと少し古い感じもしますが、とっても素敵な絵本です。 子供たちに、「ものを大切に使おうね」…と教えるための本なのかも知れませんね。 でも、僕はこのくれよんに激しく共感してしまいます。 〈使命〉を果たせたくれよんは、とっても幸せだったろうな~と思います。 そして、オスカーワイルドの『幸福の王子』です。 このお話は有名なので、ご存知の方も多いと思います。 『The Happy Prince』なので、『幸福な王子』とされる場合 もありますね。 あらすじをご覧になりたい方は、『幸福な王子コンサート』の サイトで、紙芝居風になった物語が紹介されていますよ。 ただし原作の小説は、一般的に知られているお話とは、また 少しだけ趣きが違っていて、どちらかというと大人向けの物語 になっていたりするのです。 この写真の本は子供用に直されたものの方ですが、ブクログへのリンクは、原作の方にさせていただきました。 また、こちらの『幸福の王子』のサイトで、原作の方の全文訳が読めるようになってます。
お時間のあります方は、ぜひぜひどうぞ! 今の季節に読むと、また一段と心に染みるお話ですよね~。 王子の〈博愛〉以上に、つばめの〈献身〉に心を打たれますね。 そして、王子とつばめの間の〈愛〉が、とっても美しい物語です。 『自己中心思考』の記事を書いた僕に対して、mikiさんは、 「〈悪〉と感じるものへ焦点をあてて批判することにエネルギーを使うのではなく、 〈愛〉と感じるものへ焦点をあてて広げることを選んでいって欲しい」 …と言ってくれました。ありがとうございます。 そこで、このレビューを『自己中心思考』の完結編とさせていただきます。 すべての人の心が、〈愛〉で満ちることを強く願いながら、みなさま~~ Merry Xmas!! & I Love You!!
by seikiabe
| 2004-12-22 22:09
| レビュー
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