生きる力
人はときどき、自分がたった独りぼっちでいるような気になります。
〔人生には価値がない〕、〔生きることに意味などない〕などと考えてしまうことがあります。
平凡で退屈な毎日に飽き、それなのに次々と襲い来る苦悩の連続に疲れ果てて、やがて
激しい自己嫌悪に陥って、すべてを投げ出したくなる時もあります。
けれどそれは、あなたの心が少しばかり疲れすぎて、見失っているせいなのです。
目を閉じて、ゆっくり深呼吸しましょう。
あなたのことを愛してくれている家族や友人たちのことを思い出してみてください。
そして、あなたのその肉体と魂の内には、強く揺るぎない〈生きる力〉がまるで溢れんばかりに
詰まっていることを、どうか忘れないでください。
あなたは、あなたであるだけですばらしい。
生きる価値のない人なんて、1人もいません。意味のない人生なんてないのです。
あなたがいてくれることで、喜び・助けられている人たちがいます。
生き続けていくことだけで、あなたは充分に成し遂げているのです。
世界はあなたに無関心ではないし、まして敵ではありません。
すべての〈命〉は、あらゆる〈人生〉は、重なり合い・つながり合っているのです。
だから、その〈つながり〉を絶つことなど、けしてできないのです。
僕も生きます、どんなに不様でも! みなさんも生き抜きましょうね!!

え~、それでは今日は、こんな僕の言葉なんかよりも、もっとずーっと深くて説得力を持った
〈心の糧〉となるような本を、いくつかご紹介させていただきたいと思いま~す。



まず最初にご紹介するのは、『天国の五人』です。
世界的・超ベストセラーのノンフィクション・『モリー先生との火曜日』の著者である、ミッチ・アルボムが書いた小説で、この作品もすでに全米で550万部を超えるというメガ・ヒットになっています。
これはエディーという、ある平凡な男の物語です。
彼はその生涯を、海の近くの小さな遊園地の〈メンテナンス〉として過ごします。とはいえ、けしてなりたくてなった仕事ではありません。
戦争の傷で片脚が動かないのもあり、父親が死んだ時にその後釜を継ぐ形になって、抜け出したいと思いながらもそれもできぬまま、ずっと油塗れで整備を行ってきました。
最愛の妻もずっと以前になくし、子供もいません。

そんな彼の人生は、担当するアトラクションの事故という、予期せぬ形で突然の終局を迎えます。
そして、この物語は、そこから始まるのです。
気付けばエディーは、不思議な場所に立っていました。どうやら、そこは〈天国〉らしいのです。
そして彼は、これからこの場所で、5人の人物と出逢うことになります。
彼らは、エディーにある重大なことを教えるために、ここでずっと彼を待っていたのです。
5人の話を聞くことで、エディーはじつに退屈だとばかり思っていた自分の人生の別の側面を知り、そして初めて、自分が生きてきた〈価値〉や〈意味〉に気が付くこととなるのです。
その人物たちが誰であるのかは、秘密にしておきましょう。
5人によって語られる、エディー自身も知らない彼の人生の物語は、非常に興味深いものでした。教訓を含んだ寓話としてもすばらしいし、5つの短編と捉えても、それぞれに魅力的な物語です。
何度も胸が熱くなりました。そして、5人目との邂逅を済ませたエディーが知った〈人生の真実〉を
伝えるラストシーンには、涙が溢れ出しました。
帯のコピーの通りに「ムダな人生なんて、ひとつもない」ということが、心の奥に刻み込まれました。
〈天国〉の存在は信じない僕ですが、こんな〈天国〉なら行ってみたいかもですね。
〈魂への贈り物〉という言葉がまさに相応しい、大感動の物語です。



つづきまして、『生きている ただそれだけで 美しい』です。
アウグスト・クリというブラジルの精神科医の方が書かれた本で、
ラテンアメリカを中心に大ベストセラーとなったメッセージ本です。
この本を読み自殺を思いとどまった…という声も殺到したそうです。
誰にでも伝わるシンプルな言葉でひたすらに綴られているのは、
生命への賛歌です。生きることのすばらしさです。
そして、この本を読んだ人は、あるとても重要なことを思い出します。
それは、我々ひとりひとりが〈歴史上最大の闘い〉の勝者である!
…という真実です。
あなたが今、こうやって生きていること自体が、いったいどれほどの奇跡的な成功のもとにあるか。そのことを忘れてはいませんか?
我々の誰もが、オリンピックで金メダルをとるよりも、エベレストの登頂を成し遂げるのよりも、さらにずっと困難なことを、すでにやってのけているのですよ。
それは、あなたが〈生まれた〉ということです。
競争率がじつに4000万分の1という、過酷で熾烈なレースの表彰台を力で勝ち取ったものにしか、この世界を見るチャンスは与えられなかったのですから。
すべての人はみんな、途方もない厳しい試練に打ち勝ち、群がりくるライバルたちをぶっちぎって、その結果として〈生〉という輝かしい勝利を獲得しているのです。
1人の〈生〉の栄光の影には必ず、4000万もの敗者たちがいます。
我々は、そのたった1人の、誇りある〈勝者〉であることを忘れてはいけません。
自分自身の強靭な〈生き抜く力〉、己の貪欲な〈生への執着〉をみくびってはならないのです。
あなたは、すでに〈勝者〉なのです。


つづきまして、『人はどうして死にたがるのか』です。
心理療法カウンセラーの下園壮太という方の本です。
こちらは逆に、なぜ人は〈生きる力〉を失ってしまって、〈自殺〉という最悪の道を選んでしまうか?…ということについて書かれています。
そういった心理を、論理的に、明解に説明してあります。
ときどき自殺を考えてしまう人も、そうでない人にも必読の書です。
内容を簡単にだけ言いますと、我々の遺伝子の中に組み込まれた「感情のプログラム」が、ときとして〈誤作動〉を起こすことによって、「絶望のプログラム」が発動してしまった場合に、人は〈死〉を選んでしまうというのですね。
本来は〈生きる力〉を強めるための「プログラム」が、皮肉にも結果的には、人を〈殺す〉ことになってしまうのです。
原始の時代から我々の中に宿った「感情のプログラム」は、危機的状況の中でも〈生き残る確率〉を高めるために、プログラミングされています。
しかし人類は、ほんのわずかばかりの間に、急激に生活環境を変化させてしまっています。
だから現代社会においては、その原始的な「プログラム」は、まったく対応できていないどころか、反対にその〈誤作動〉によって、〈生きる力〉を奪ってしまう形で作用することが多くなっています。
それが「うつ」というものであり、そのために人は〈死にたがる心〉を持ってしまうというのです。
そういったメカニズムについて、とても詳しく・解りやすく説明してあります。
さらにこの本では、「どうすれば〈誤作動〉を防げるか」についても書かれてあり、〈うつ〉になった人がどうやって回復していけばよいかも、丁寧に解説してあります。
精神論ばかりではなく、こうした科学的・論理的な知識を得ることは、必ずためになると思います。
なので、未読の方はぜひ読んでみてくださいませ。


そして続編の、『愛する人を失うと どうして死にたくなるのか』です。
こちらの本は、人の〈死にたくなる心理〉の中でも大きな要因となる「大切な家族や恋人や友人を失った場合」について特化し、さらに
詳しく書かれています。
「愛する人の死」に直面した人は、その大きな喪失感を埋めるすべを見つけられずに、どうしてもそれを受け容れることができなかったり、また自分自身を激しく責め立てたりすることで、いつしか自らも〈死〉を望んでしまう。そういった心理について解説してあります。
これもやはり同じく、〈誤作動〉によって〈間違ったプログラム〉が発動してしまったことによるものなのです。
強い衝撃をきっかけに、〈うつ〉の状態になってしまっているのです。
愛が深ければ深いほど、またその哀しみも深く、自覚はないままに「絶望のプログラム」を発動させてしまっているのですね。
「愛する人を失う」という悲劇は、誰もが遭遇し、そして乗り越えなければならない試練です。
そこで、「絶望のプログラム」を発動させないために、たとえ発動しても止められるように、このことを
知識として得ていることは重要だと思います。
「時が癒してくれる」ということももちろんですが、自分が〈うつ〉であることを認識して対処することも有効のはずです。
この本では、愛する〈家族〉・〈恋人〉・〈友人〉、さらには〈ペット〉を失ったそれぞれの場合について、そして失った相手が〈自殺〉だった場合についても、個別にその対処法が書かれています。
愛する人を失った〈直後〉・〈半年後〉・〈数年後〉といったようにも章が分けられ、それぞれの時期の人がどういう悩みを抱え、どうすればその苦しみから救われるかが、懇切丁寧に綴られています。
あなた自身が今まさにそういった状況にある人も、現在はそうではないという人も、読んでまったく損はないと思います。もし見かけた方は、手に取ってみてくださいませ。


生きるのに疲れ果てている方、道を見失いそうになっている方、そして人生の真実を知りたい方。
もし今回ご紹介した本がお役に立てれば、とても光栄です。
最後にもう一度だけ。かけがえのないあなたを、愛し、大切にしてあげてください。
生き抜きましょう! 僕も生きます!!



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by seikiabe | 2005-02-26 00:00 | レビュー


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