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生きる力
人はときどき、自分がたった独りぼっちでいるような気になります。
〔人生には価値がない〕、〔生きることに意味などない〕などと考えてしまうことがあります。
平凡で退屈な毎日に飽き、それなのに次々と襲い来る苦悩の連続に疲れ果てて、やがて
激しい自己嫌悪に陥って、すべてを投げ出したくなる時もあります。
けれどそれは、あなたの心が少しばかり疲れすぎて、見失っているせいなのです。
目を閉じて、ゆっくり深呼吸しましょう。
あなたのことを愛してくれている家族や友人たちのことを思い出してみてください。
そして、あなたのその肉体と魂の内には、強く揺るぎない〈生きる力〉がまるで溢れんばかりに
詰まっていることを、どうか忘れないでください。
あなたは、あなたであるだけですばらしい。
生きる価値のない人なんて、1人もいません。意味のない人生なんてないのです。
あなたがいてくれることで、喜び・助けられている人たちがいます。
生き続けていくことだけで、あなたは充分に成し遂げているのです。
世界はあなたに無関心ではないし、まして敵ではありません。
すべての〈命〉は、あらゆる〈人生〉は、重なり合い・つながり合っているのです。
だから、その〈つながり〉を絶つことなど、けしてできないのです。
僕も生きます、どんなに不様でも! みなさんも生き抜きましょうね!!

え~、それでは今日は、こんな僕の言葉なんかよりも、もっとずーっと深くて説得力を持った
〈心の糧〉となるような本を、いくつかご紹介させていただきたいと思いま~す。



まず最初にご紹介するのは、『天国の五人』です。
世界的・超ベストセラーのノンフィクション・『モリー先生との火曜日』の著者である、ミッチ・アルボムが書いた小説で、この作品もすでに全米で550万部を超えるというメガ・ヒットになっています。
これはエディーという、ある平凡な男の物語です。
彼はその生涯を、海の近くの小さな遊園地の〈メンテナンス〉として過ごします。とはいえ、けしてなりたくてなった仕事ではありません。
戦争の傷で片脚が動かないのもあり、父親が死んだ時にその後釜を継ぐ形になって、抜け出したいと思いながらもそれもできぬまま、ずっと油塗れで整備を行ってきました。
最愛の妻もずっと以前になくし、子供もいません。

そんな彼の人生は、担当するアトラクションの事故という、予期せぬ形で突然の終局を迎えます。
そして、この物語は、そこから始まるのです。
気付けばエディーは、不思議な場所に立っていました。どうやら、そこは〈天国〉らしいのです。
そして彼は、これからこの場所で、5人の人物と出逢うことになります。
彼らは、エディーにある重大なことを教えるために、ここでずっと彼を待っていたのです。
5人の話を聞くことで、エディーはじつに退屈だとばかり思っていた自分の人生の別の側面を知り、そして初めて、自分が生きてきた〈価値〉や〈意味〉に気が付くこととなるのです。
その人物たちが誰であるのかは、秘密にしておきましょう。
5人によって語られる、エディー自身も知らない彼の人生の物語は、非常に興味深いものでした。教訓を含んだ寓話としてもすばらしいし、5つの短編と捉えても、それぞれに魅力的な物語です。
何度も胸が熱くなりました。そして、5人目との邂逅を済ませたエディーが知った〈人生の真実〉を
伝えるラストシーンには、涙が溢れ出しました。
帯のコピーの通りに「ムダな人生なんて、ひとつもない」ということが、心の奥に刻み込まれました。
〈天国〉の存在は信じない僕ですが、こんな〈天国〉なら行ってみたいかもですね。
〈魂への贈り物〉という言葉がまさに相応しい、大感動の物語です。



つづきまして、『生きている ただそれだけで 美しい』です。
アウグスト・クリというブラジルの精神科医の方が書かれた本で、
ラテンアメリカを中心に大ベストセラーとなったメッセージ本です。
この本を読み自殺を思いとどまった…という声も殺到したそうです。
誰にでも伝わるシンプルな言葉でひたすらに綴られているのは、
生命への賛歌です。生きることのすばらしさです。
そして、この本を読んだ人は、あるとても重要なことを思い出します。
それは、我々ひとりひとりが〈歴史上最大の闘い〉の勝者である!
…という真実です。
あなたが今、こうやって生きていること自体が、いったいどれほどの奇跡的な成功のもとにあるか。そのことを忘れてはいませんか?
我々の誰もが、オリンピックで金メダルをとるよりも、エベレストの登頂を成し遂げるのよりも、さらにずっと困難なことを、すでにやってのけているのですよ。
それは、あなたが〈生まれた〉ということです。
競争率がじつに4000万分の1という、過酷で熾烈なレースの表彰台を力で勝ち取ったものにしか、この世界を見るチャンスは与えられなかったのですから。
すべての人はみんな、途方もない厳しい試練に打ち勝ち、群がりくるライバルたちをぶっちぎって、その結果として〈生〉という輝かしい勝利を獲得しているのです。
1人の〈生〉の栄光の影には必ず、4000万もの敗者たちがいます。
我々は、そのたった1人の、誇りある〈勝者〉であることを忘れてはいけません。
自分自身の強靭な〈生き抜く力〉、己の貪欲な〈生への執着〉をみくびってはならないのです。
あなたは、すでに〈勝者〉なのです。


つづきまして、『人はどうして死にたがるのか』です。
心理療法カウンセラーの下園壮太という方の本です。
こちらは逆に、なぜ人は〈生きる力〉を失ってしまって、〈自殺〉という最悪の道を選んでしまうか?…ということについて書かれています。
そういった心理を、論理的に、明解に説明してあります。
ときどき自殺を考えてしまう人も、そうでない人にも必読の書です。
内容を簡単にだけ言いますと、我々の遺伝子の中に組み込まれた「感情のプログラム」が、ときとして〈誤作動〉を起こすことによって、「絶望のプログラム」が発動してしまった場合に、人は〈死〉を選んでしまうというのですね。
本来は〈生きる力〉を強めるための「プログラム」が、皮肉にも結果的には、人を〈殺す〉ことになってしまうのです。
原始の時代から我々の中に宿った「感情のプログラム」は、危機的状況の中でも〈生き残る確率〉を高めるために、プログラミングされています。
しかし人類は、ほんのわずかばかりの間に、急激に生活環境を変化させてしまっています。
だから現代社会においては、その原始的な「プログラム」は、まったく対応できていないどころか、反対にその〈誤作動〉によって、〈生きる力〉を奪ってしまう形で作用することが多くなっています。
それが「うつ」というものであり、そのために人は〈死にたがる心〉を持ってしまうというのです。
そういったメカニズムについて、とても詳しく・解りやすく説明してあります。
さらにこの本では、「どうすれば〈誤作動〉を防げるか」についても書かれてあり、〈うつ〉になった人がどうやって回復していけばよいかも、丁寧に解説してあります。
精神論ばかりではなく、こうした科学的・論理的な知識を得ることは、必ずためになると思います。
なので、未読の方はぜひ読んでみてくださいませ。


そして続編の、『愛する人を失うと どうして死にたくなるのか』です。
こちらの本は、人の〈死にたくなる心理〉の中でも大きな要因となる「大切な家族や恋人や友人を失った場合」について特化し、さらに
詳しく書かれています。
「愛する人の死」に直面した人は、その大きな喪失感を埋めるすべを見つけられずに、どうしてもそれを受け容れることができなかったり、また自分自身を激しく責め立てたりすることで、いつしか自らも〈死〉を望んでしまう。そういった心理について解説してあります。
これもやはり同じく、〈誤作動〉によって〈間違ったプログラム〉が発動してしまったことによるものなのです。
強い衝撃をきっかけに、〈うつ〉の状態になってしまっているのです。
愛が深ければ深いほど、またその哀しみも深く、自覚はないままに「絶望のプログラム」を発動させてしまっているのですね。
「愛する人を失う」という悲劇は、誰もが遭遇し、そして乗り越えなければならない試練です。
そこで、「絶望のプログラム」を発動させないために、たとえ発動しても止められるように、このことを
知識として得ていることは重要だと思います。
「時が癒してくれる」ということももちろんですが、自分が〈うつ〉であることを認識して対処することも有効のはずです。
この本では、愛する〈家族〉・〈恋人〉・〈友人〉、さらには〈ペット〉を失ったそれぞれの場合について、そして失った相手が〈自殺〉だった場合についても、個別にその対処法が書かれています。
愛する人を失った〈直後〉・〈半年後〉・〈数年後〉といったようにも章が分けられ、それぞれの時期の人がどういう悩みを抱え、どうすればその苦しみから救われるかが、懇切丁寧に綴られています。
あなた自身が今まさにそういった状況にある人も、現在はそうではないという人も、読んでまったく損はないと思います。もし見かけた方は、手に取ってみてくださいませ。


生きるのに疲れ果てている方、道を見失いそうになっている方、そして人生の真実を知りたい方。
もし今回ご紹介した本がお役に立てれば、とても光栄です。
最後にもう一度だけ。かけがえのないあなたを、愛し、大切にしてあげてください。
生き抜きましょう! 僕も生きます!!



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by seikiabe | 2005-02-26 00:00 | レビュー | Comments(43)
『ななつのこ』~心に染みるミステリ~
 〈騙される快感〉を味わいたくて、たくさんの本格ミステリを読んできました。
『十角館の殺人』 『殺戮にいたる病』 『頼子のために』 『ある閉ざされた雪の山荘で』
 
『i -鏡に消えた殺人者-』 『黒猫の三角』 『葉桜の季節に君を想うということ』、etc…。
 その驚嘆のラストに呆然とし、作者の緻密な計算と底意地の悪さに感服したものです。
 伏線は充分に張られて、目の前に大胆にヒントがぶらさがっていたのにもかかわらず、
明かされた真相は想像の外にあり、描いていた世界は突如捩れて反転してしまいます。
 〈論理性〉と〈意外性〉の二重奏。思考の盲点を衝く痛快な発想。作者と読者の頭脳戦。
 それこそがミステリの真髄でしょう。
 
 ただ欲を言えば、本格ミステリの多くは、トリックや怪奇性ばかりに傾いて、あまりにも
荒唐無稽になっていたり、その世界観に馴染めず登場人物にも感情移入できなかったり、
文章自体が読むに耐えないものすらあったりします。
 さらに、ミステリはどうしても〈殺人事件の犯人を暴く〉というストーリーが多いため、怨み
や憎しみといった人間の〈悪意〉が描かれる話になりがちです。
 例えば、〈愛して信じていた恋人が真犯人!〉だったりすると、意外性は充分な代わりに
後味はなんとも苦くなります。じつは最初から計画として近づいていただけで、愛どころか
ずっと憎んでいた…なんて告白され、しかも最後に自殺なんてされた日にはもう最悪です。
 読者への裏切りと、読後感の苦さは裏腹だったりします。

 そう思っていたある時、村瀬継弥さんの
『藤田先生シリーズ』を読みました。
 ある小学校に手品の得意な先生がいて、ときどき魔法のように不思議な現象を起こして
生徒たちを驚かします。そして、その魔法には先生からの暖かいメッセージが込められて
あり、それによって生徒たちが救われたりする…といったお話です。
 その先生の手品の種を解明する…というミステリなのですが、トリック自体は奇術の好き
な人なら想像のつくものだったりもします。文章も少し拙い感じがします。(ごめんなさい)
けれど、その世界や人間を〈善〉と捉えたメルヘンな物語は非常に心地のよいものでした。
 村瀬継弥さんの作品を読んで、〈読者を欺き、裏切る〉…それこそがミステリの魅力だと
思っていた僕は、〈読者を暖かい気持ちにするミステリ〉もありだな…と考えを改めました。

  そして同じ頃に、加納朋子さんの『ななつのこ』に出逢ったのです。

 『ななつのこ』は、入江駒子という短大生が、表紙の絵に惹かれ
「ななつのこ」という本を手にしたことから始まる物語です。
 駒子は、作者にファンレターを書きました。
 その手紙には、最近彼女の身の回りで起こった少し不思議な事件
についても書いていたのですが、ファンレターの返事には、その事件
の謎解きがされていたのです!
 そうした手紙のやりとりが主軸となったお話で、全部で7話からなる
連作短編集なのですが、作品の中の「ななつのこ」にもミステリ要素
があり毎回謎解きがあるという趣向のため、まさに謎解き満載の作品
になっています。さらに最終話では、全編にわたる最大のミステリも明かされて、1つの長編
ミステリとしても楽しめます。
 1つ1つの謎の解答は、勘のいい方ならあるいは気付くかもしれませんが、そんなことでは
この作品の価値は下がりません。
 駒子の日常を描いたその作品世界自体が、存分に魅力的なのです。
 ミステリとメルヘンの美しい融合がここにあります。


 続編となる『魔法飛行』は、4つの中篇による作品ですが、さらに完成度が増した印象を受けます。
 こちらも絶対必読ですよ。タイトルもいいですね。
 まさに心に染みる素敵なお話です。
 
 さらに続編の『スペース』が遂に出ました!
 こちらも心温まる良作です。ただし、前2作を先に読まれた方がよいでしょう。


 駒子シリーズ以外では、〔エッグ・スタンド〕というバーを舞台にした『掌の中の小鳥』も好きです。
 こちらも連作短編集になっています。

 日本推理作家協会賞を受賞した『ガラスの麒麟』も非常にすばらしい作品です。
 ここでは遂に殺人事件が起きるのですが、6つの切なくも美しい物語が1つに繋がるそのラストでは、胸に静かな感動が訪れることでしょう。

  加納朋子さんの作品は、ミステリとしても良質な…本格推理小説です。
  そしてその読後感は、驚きとともに、柔らかな光と爽やかな風に包まれたようです。




 
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by seikiabe | 2005-02-19 00:00 | レビュー | Comments(14)
『雪を待つ八月』と『あの空をおぼえてる』
一撃でやられる時があります……。
本当にいい作品は、最初の1ページを読んだだけで、物語の世界にグイと引きずり込む力を持っているものです。『いま、会いにゆきます』や『博士の愛した数式』などは、冒頭の数行を読んだだけで迷いなく買うことができました。
自分の〈肌に合う〉作品だということが確信できたからです。
僕は〈平易な文〉が美しい文章だと思っています。やたらに凝った言い回しをしたり、妙に気取った装飾過多な文章、いわゆる〈美文〉は好きではありません。
日常的な語句だけを用いて読みやすく、それでいて内容や空気感が的確に伝わってくる…そんな文章が、本当の名文だと思っています。
〈機能美〉こそが真の美である…と信じているのです。
ありふれた言葉なのに新鮮な使い方をしているあたりにセンスを感じます。

狗飼恭子さんもそんな1人です。
そして『雪を待つ八月』の最初の数行には、本当にうなりました。

  約束をして下さい。
  「もしもいつか私以外の誰かを好きになったなら、そのときは、一番最初に私に言ってね」

〈恋する女の子〉の不安な気持ちを、真っ芯で捉えたような会心の一文だと思いました。
レジに直行です。

これは失恋の物語です。
優美は、年下の雪道という男の子と、2年あまり同棲していました。
「大丈夫だよ。俺は、他の誰かのことなんか好きにならない」
そう強く言ってくれた雪道。
しかし優美は、幸せすぎる毎日の中で、ずっと不安を抱いていました。
そして、ある晴れた夏の日。
雪道は「他に好きな人ができた」と優美に告げます。
彼は約束を守ったのでした…。
他に行くあてもない雪道に、優美は1ヶ月間、一緒に住むことを許します。

別れが決まった上で、まだ愛している人と共に暮らす。その優美の心の苦しみも知らず、
「……優美さんって、本当に優しいんだな」と笑う彼。
「〈優しい〉って言葉の意味も分からないくらい、君はまだ子供だったんだね」と思う優美。
こんなに近くにいるのに、遠く離れてしまった2人の心。
刻一刻と近付く別れの日。優美はどうしてもその現実を受け止めきれません。
そして彼女は、八月に雪が降るような奇跡を願う…という物語です。
とっても切ないお話ですね。女の人ならほとんどの人が共感できると思います。
男もこの作品を読んで、少しは女の子の繊細な気持ちを理解するように努力しましょう。


『あの空をおぼえてる』にも一発でやられました。

  ウェニーへ。
  ぼくも死んだんだ。二人がトラックにひかれたときじゃなくて、そのすぐあと、病院で。

ウィルは、空を飛び回ったあとで、ウェストフォール先生の電気ショックで地上に戻ってきました。
そして、今もまだ空で遊んだままでいる幼い妹ウェニーに宛てて、手紙を書き始めるのでした。
妹はとても明るくて、誰からも愛されていました。
目に光を失い心に穴が開いたような両親。
ウィルは、〈妹を殺したのはぼくだ〉、〈ぼくの方が死ねばよかったのに〉と思い込みます。
1人が欠けて、バランスを失って壊れ始める家族。
ウィルは、もう一度みんなに笑顔が戻ってほしいと願います。
〈みんなが家族でいられるように〉、そのために自分が生き返ったんだと信じるウィル。
ウィル自身が、その小さな身体には重すぎる苦しみを背負いながら、それでも家族のことを思って懸命にがんばる姿に、胸を打たれます。暖かいラストには涙が滲みました。
〈妹への秘密の手紙〉というスタイルにしたのがすばらしいですね。
愛する妹に心配を懸けまいとして、元気を出して綴った文章……それがほほえましく、切ないです。

どちらの作品も、僕の分類では〈メルヘン〉です。
そしてどちらも、1人称の文章が巧みで、自然に感情移入してしまいます。
こういった作品が、今の僕の目標です。



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by seikiabe | 2005-02-12 00:00 | レビュー | Comments(9)
SFとミステリの幸せなる出逢い
 じつは僕は、〈ミステリ・ファン〉である前に〈SFファン〉だったりします。
 ポー、ドイル、ルブラン、クイーン、カー、クリスティー、チェスタートンと共に、
 ウェルズ、ブラッドベリ、アシモフ、クラーク、ハインラインなどで育ちました。


アイザック・アシモフの『われはロボット』も大好きです。
まさに古き良きSFここにあり、ですね。
ミステリ的な謎解き要素のあるお話や、ロボットと人間との友情や愛情を描いた感動作もある傑作短編集です。
ところが、映画化された『アイ,ロボット』を観てがっかりしました。
原作の静かで美しい雰囲気、そして哲学的要素は完全消滅して、単なるハリウッド的アクション映画になってしまっていたからです。
ストーリーは『鋼鉄都市』のシリーズなどからも流用されてるようですが、どれともかけ離れているし、あまりにも単純です。
あれならば『I,ROBOT』の名前を名乗る必要などなかったでしょう。
監督はアシモフの大ファンだというのですが、「どこがだよ~」って感じです。
原作(姉妹作『ロボットの時代』の方かもしれませんが)には〔1000台の中に1台だけ自我を持つロボットが紛れていて、それを見つけ出す〕というすばらしい設定のお話があって、どういうテストをすれば自我の有無を見分けられるか…試行錯誤し様々な試みをしていく中で、はたして自我とはいったい何なのか?!…という深遠なテーマに迫っています。
ところが映画では、これに似たエピソードを〔銃で撃って、逃げたやつが犯人〕的な、まったくもって知性のカケラもない方法で一瞬で解決?してしまうってんですから~‥‥。残念ッ!!
『バイセンテニアル・マン』を映画化した『アンドリューNDR114』の方が、まだずっとよかったです!

えー、少し感情に流されてしまいました。
とにかく僕はSFを愛しています。
ミステリの前はSFを書いていたのですが、SFになるとどうしても哲学というかエンターテインメントではない方向に突っ走ってしまいがちだったため、もっと広く誰にでも読んでもらえるものをと思っていたら、〈新本格ミステリ〉にはまってしまって現在に至る…というわけなのです。

といったわけで、〈本格ミステリ〉に〈SFテイスト〉を採り入れる…という野心的な試みをされてきた
西澤保彦さんの作品群には、すっかり魅了されてしまいました。
SFとしてはべりー・ライトで、『ドラえもん』的なギミックを軸にした〈SFチック・ミステリ〉です。
と言っても、バカにしているわけではありません。『ドラえもん』は本当にすばらしいSF作品です。
幼稚園児にも〈多次元〉や〈タイム・パラドックス〉といった概念を平易に伝えたり、〈どこでもドア〉や〈タイムふろしき〉に代表されるような至高のガジェットをいくつも産み出してきたんですから。
〈暗記パン〉に〈自信ヘルメット〉に〈ほんやくコンニャク〉、さらには〈もしもボックス〉などの、けっしてありえないけれど魅惑的な道具たちを、欲しいと切に願う時がある大人は僕以外にも多いはず。
藤子・F・不二雄さんは、まさに大天才です。僕の〈心の師〉の1人であります。
『未来ドロボウ』や『パラレル同窓会』などの、SF短編マンガの大傑作もたくさん描かれています。

またちょっと脱線しましたが、とにかく西澤さんのSFチック・ミステリはおもしろいですよ。
ライトでコミカルで読みやすく、けれど「読者を騙そう」(あくまでフェアに)…という〈ミステリ精神〉に溢れた素敵な作品を数多く書かれています。
そしてそのお話は、設定だけですでに興味を惹かれるものばかりです。

まずは『七回死んだ男』という作品です。かなり笑わせてもらいました。
設定はこうです。主人公であるキュータローは特異体質の持ち主です。
それは、ときどき〈時間反復落とし穴〉にはまってしまい、何度も同じ1日を繰り返してしまうというものです。
本人はようやく慣れつつもあったのですが、今回〈落とし穴〉によって反復された1日は、〈殺人事件〉が起こる日だったのです!
その被害者はキュータローのお祖父さん。〈落とし穴〉にはまっていることに気づいたキュータローは、それならば…と、事件を防ごうと行動します。そして見事に犯人と思われる人物を捜し出し、その人物を犯行時刻には被害者から遠ざけることに成功しました。
だがしかし! なぜかお祖父さんは、別の何者かによって殺されてしまうのです。
ならば今度こそは…と、次の反復では犯行を未然に防ごうと奮闘とするもやはりまたしても!…といったストーリーです。結局〔七回死んだ男〕を、最終的に護りきることはできるのでしょうか?!
ラストには、とびっきりのオチが待っています。


続いては『人格転移の殺人』です。奇想天外なこの作品、大好きです。
設定はこうです。大地震に巻き込まれた主人公たちが意識を取り戻したのは、とある奇妙な実験施設でした。
そして、そこに逃げ込んだ男女6名の人格は、なぜだか〈スライド〉して、みんな別の肉体の中に入っていたのです! 
ある一定の法則によって、繰り返されていく〈人格転移〉。その閉ざされた特殊な空間で、恐怖の〈連続殺人〉が始まったとしたらもう大変!
なんせ人格がどんどんと〈スライド〉していくわけですから、外見だけでは誰が誰だか判らないんです。
今この瞬間、いったい誰が犯人で、誰を信じればいいのやら大混乱です。真犯人を突き止めた…と思ってもまたまた〈転移〉。もう頭の中、完全にシェイクされちゃいます。
結局、誰の〈人格〉が真犯人か?…というお話なのですが、もちろん一筋縄ではいきません。
そしてその意外な結末とは…?


他には、突然現れた虹色の壁に触れると自分と完全に同じ〈コピー人間〉ができ、しかもコピーの方も人格を持っているし、オリジナルとの区別さえ極めて困難…という状況下での連続殺人事件を描いた『複製症候群』。

〔何か疑問を抱くと、自分ともう1人を除き、全ての時間が停止してしまう〕という特異体質の少年が、ナイフが刺さった男を発見してしまい、その謎を解明するまでは永久に時間が停まったまま…という世界の中で、さらに次々とナイフに刺された人たちと遭遇してしまい、謎は深まるばかり…という『ナイフが町に降ってくる』。

さらに、〔ちょーもんいん(超能力者問題秘密対策委員会出張相談所)〕の神麻嗣子の登場する『超能力事件簿』のシリーズは、超能力が存在する世界で、その不正使用を行った犯人は誰なのか?…をあくまで本格推理で丹念に解いていくお話です。
それにしても、よくも次から次へとまあ…って感じですよね。
これらの設定のどれかに興味を持たれた方は、西澤保彦さんのお名前をぜひご記憶を。
ちなみに、正統派ミステリの傑作もたくさん書かれているので念のため。



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by seikiabe | 2005-02-10 00:00 | レビュー | Comments(14)
『暗いところで待ち合わせ』とか…
 乙一さんの本をまだ読んだことのない人、いますか?
 なるべく急いで、『失はれる物語』か 『ZOO』をお買い求めくださいませ。
 どちらもハードカバーの短編集で、おそらくは〈ミステリ〉、ひょっとして〈ホラー〉といったコーナーに分類されているでしょうが、そういった枠には収まりきらない〈おもしろい物語〉が、そこにあります。


 たとえば表題作『失はれる物語』は、事故により右腕以外の感覚が一切麻痺した男と、その妻の物語です。完全なる暗闇の中で、妻の触れる右腕の感覚だけが世界の全てとなってしまった男。
 音楽教師だった妻はやがて、男の腕をピアノとして演奏を始める…。
 極限状況の中で試される愛。とても哀しくて美しい素敵な物語です。
 『傷』は、他人の負った〈傷〉を自分の肉体に移動させることのできる少年の物語。人を癒す度に自らその苦しみを背負い込んでいく、それでも人のためにありたいとする少年。その無垢なる精神。彼自身の傷が癒される日は訪れるのか?…といった物語です。
 そういった切ない話から、ダークな話、トリッキーな話、ひたすら奇妙な話など、なんでもござれの変幻自在・天衣無縫の天才的ストーリーテラーです。
 その他の作品では、ミステリ色の強い 『GOTH』や、ホラーテイストの 『暗黒童話』などのお話も抜群に面白くてお勧めです。
 

  僕が特にお気に入りなのが、『暗いところで待ち合わせ』(幻冬社文庫)という作品です。
もしジャンル分けするならミステリであり、事実ミステリとして面白いのですが、僕はその世界観になんとなく〈メルヘン〉を感じるのです。
 殺人の容疑で追われる青年が潜伏先として選んだのは、盲目の女性が独り暮らしする家でした。次第に不安が募っていく彼女と、息を潜めながらその様子を見つめている彼。その双方の気持ちを丁寧に描いていきます。
正直、設定としてはコント寸前ですよね。いくら目が不自由でも、自分の家に誰かが隠れ住んで、冷蔵庫を漁ったりしてバレないはずはないでしょう。そしてやはりというか彼女に気づかれてしまいます。殺人犯として指名手配中の男だということも。
しかし、彼女は彼が悪い人間ではないと感じ、黙って彼の分の食事を用意するようになる…という展開になるのがいいんですよねー。会話はないけれど暗黙の了解の下に過ごす奇妙な同居生活。彼女も彼も、素直すぎて生きるのが下手で、ともに深い孤独を抱えている。そんな2人が、次第に静かに心を通わせていく。そういったあたりが、綺麗で暖かくって大好きです。メルヘンだなーって思いますね。
 設定は奇抜なのに、その世界に読者をスーッと引き込んでいく筆力が素晴らしい作家さんです。


 ついでにといってはなんですが、乙一さんの作品でもマイ・フェイヴァリットなのは、短編で『BLUE』という作品です。『石の目』という新書か、もしくはそれを改題した『平面いぬ。』という文庫(集英社)に入っています。
 これはまさに〈純メルヘン〉な作品といえます。
 主人公のBLUEは、〈できそこないの人形〉です。
 買われていった家の子供には、〈かわいくない〉といつも粗末に扱われています。他の人形からもバカにされます。けれどもBLUEはそのことにすら気づかないほど無垢なのです。外見だけで全てを判断する世界は、BLUEに冷たい。それでもBLUEは、世界を愛し続ける。
 そんなBLUEの健気さに心を動かされ、涙すらしてしまう名作童話です。

 僕自身も最近は〈メルヘン〉な作品を書いたりしています。
 たとえば現在アップしている『ハート家の名探偵』も、〈メルヘン・ミステリー〉と呼べるものです。
テイストが〈甘い〉という意味だけではなくて、じつは物語をそして世界を〈抽象化〉する…という方向で作者は心を砕いていたりします。読んでいただいた方でも気がつかないかもしれませんが、あの作品には現実世界での固有名詞(地名とか、商品名とか、有名人など)はまったく登場しません。
 「むかし、むかし、あるところに‥‥」という〈お話〉なのです。
 社会や風俗を描写し時代を写す…のではなく、純粋な〈物語〉を紡ぎたい、そして風化することなく100年後にも通用する〈お話〉が書きたい、そんな野望を秘めてのことでもあります。

 それはともかく、
乙一さんの小説は面白いので、ぜひ読んでみてください。
 すでにファンだという方は、特に好きな作品など教えてくださいませんか?

 追記:『暗いところで待ち合わせ』、映画化されるんですね~!? どうなるんだろ?



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by seikiabe | 2005-02-08 18:19 | レビュー | Comments(16)
『星を継ぐもの』~至高のSFにして究極のミステリ~
みなさんにとって、これまでで〈ベスト1〉の小説とはなんでしょうか?
僕も選ぶのは非常に難しいのですが、夢中で読み耽った興奮と読後に受けた感銘という点では、
ジェイムズ・P・ホーガンの『星を継ぐもの』を超える作品は、他にないかもしれません。


〈ハードSFの雄〉であるホーガンの処女作で出世作となったこの作品は、
〈センス・オブ・ワンダー〉に満ち溢れた〈空想科学小説〉の大傑作です。
しかも同時に、とびっきり極上の〈推理小説〉でもあります。
なので、〔SFファン+ミステリファン〕としては、完全に痺れまくりました。
小説とは、突き詰めれば〈ホラ話〉のことです。
もっともらしく素敵な作り話を語って…読者を魅了する、そんな芸術です。
それにしても、ホーガンの吹くホラの、あまりに魅力的なことときたら‥!!
そのスケールの壮大さと、ディテールの緻密さは尋常ではありません。
〈空想〉の豊かさも〈科学〉としての説得力も、並のSFとは桁違いです。
ホーガンの巻き起こす物語という巨大な渦に呑まれて…まるで息つく暇もなく辿りついた先には、まさしく驚天動地のラストが待ち受けていたのでした。しばし呆然‥‥そして押し寄せる感動。
ミステリとしても満点でしょう。その圧倒的な才能に平伏し、筆を折りたくなる心境になります。

  〈月面で発見された死体〉、それは真紅の宇宙服を着ていました。
  そして彼は、死後5万年以上経過していることが判明したのです!

  彼は、宇宙からやってきた異星人なのでしょうか?
  それにしては彼は、あまりにも我々と似すぎています。
  ならば彼は、かつての地球人なのでしょうか?
  人類はその時代に既に、月まで来る科学力を持っていたのでしょうか?
  だとしたら、その文明が失われてしまったのはなぜでしょう?
  その痕跡が地球上に残されていないのはどうしてでしょう?
 
主役となるのは、物理学者のハント博士と、生物学者のダンチェッカー教授です。
反発しあう2人を中心とした調査チームが、《チャーリー》と名付けられた例の死体やその持ち物を徹底的に分析し、様々な分野の専門家が色々な仮説を立てていきます。
しかし、1つの疑問が解けたかと思えばまた別の難問が現れるといった調子で、さらには木星の
衛星で巨大な宇宙船が発掘されて、事態は急展開。謎はどんどんと深まっていくのでした…。
とにかく全篇が〈謎解き〉、しかも難解な科学専門用語のオンパレードなので、推理も科学もどっちも苦手だ~…という人には結構辛いかもしれません。
けれど、僕的にはこれが〈ベスト1小説〉(の1つ)であります!


その物語は、続編の『ガニメデの優しい巨人』、そして『巨人たちの星』へと続きます。
ミステリの要素としては薄れるものの、スケールのさらにアップした第一級のエンターテインメント作品として充分に楽しめます。

10年ほど後に出た『内なる宇宙』という4作目の続編もありますが、大傑作だった前の3作からは少し見劣りしてしまいます。


このシリーズ以外にも良作は多く、個人的には『創世記機械』・『未来からのホットライン』などの〈発明ネタ〉の作品が大好きです。

〈反重力装置〉や〈タイムマシン〉を、物理学的なアプローチから猛烈にリアルに描いており、その〈科学〉と〈空想〉との虚実の皮膜を漂う感じが、たまらなく魅力的です。


映画やマンガでしか〈SF〉を体験したことのない方、天才ホーガンの描く〈ハードSF〉の魅力を一度味わってみてはいかがでしょうか? いや、ぜひとも!


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by seikiabe | 2005-02-04 00:00 | レビュー | Comments(5)
もしも、あの時…!?
最近なんだか、考えすぎて記事が書けなくなってきたので、考えるのやめます!
リラックマくんの教え、「とりあえず やってみてはいかがですか?」を守って、もう少しだけ
「思うままにだらだら」という感じを強めつつ、書いてみることにいたしました。
ということで今回のレビュー、ただ書きたくなったものを、ゆる~く書かせていただきます。
なので、せっかく読んでいただいても、あんまり参考にならないと思います。ごめんなさい。

〈時間〉にまつわる超B級傑作SF映画たちですが、日本では未公開だったりするものもあり、
BSやCSとか、レンタル店でがんばって探し出してご覧いただくしかないかもなのですよね。
完全に僕の〈趣味〉の映画ですし、観る手段がなかったりするというひどい話ですが、どうか
お許しください。けれど、観て損のないものばかりですので、よろしければタイトルだけでも
覚えておいてください。それと、かなりストーリーに触れていますので、ご注意くださいませ。



b0030720_024148.jpgまずは、『バタフライ・エフェクト(邦題未定)』です。
全米で作年公開されて大ヒットした、SFサスペンスです。
日本でも、春くらいには公開される予定ですが、たまたまこの映画を観る機会があり、たいへん刺激を受けました。
「バタフライ・エフェクト」は、カオス理論の喩えとして有名ですが、「わずか1匹の蝶のたった1度の羽ばたきが、遥か地球の裏側で竜巻を発生させる要因にもなりえる」…といったことです。
つまり、些細なきっかけで結果的にすごく大きな変化が生じる…ということですね。(「風が吹けば桶屋が…」の科学的バージョン?)
それでは以下、完全にネタバレを含んでおりますので、ストーリーを知りたくない方は、次の作品まで飛ばしちゃってくださいませ。
(でも、このテーマな時点で、かなりバレてますよね。すいません)

ある人物が研究所のような場所で暗闇の中、必死で隠れている…というシーンから始まり、場面は一気に13年前、彼の少年時代に遡ります。
当時の彼は、突然に意識がなくなり、気が付いた時にはその間の記憶を失っている…ということが頻繁に起こります。その数々の空白の時間に何が?…ということなのですが、よくある二重人格のお話などではありません。不思議なシーンが無数にありますが、話が進むにつれて、それはすべて「なるほど!」に変わります。
すべては、彼の〈能力〉によるものだったのです。(この先、本当にネタバレです)

彼の能力とは、過去の自分に戻る力です。
自分の日記を読むことによって、その日記の出来事の起こった瞬間の自分に、現在の自分の魂が乗り移って、過去を書き変える!ことができるのです。
逆に乗り移られている間、幼い彼の意識は〈ブラックアウト〉していた…ということなのです。
ドラえもんの「タマシイム・マシン」(タイムマシンじゃないですよ)に近いと言えばご理解いただけるでしょうか。(よけい解らないですよね)
だれだって、「もしも、あの時、こうできていたら…」ってこと、ありますよね~。
そういう意味でも、こういった〈タイムトラベルもの〉には惹かれちゃいますよね。
この主人公も、そう思って能力を駆使して過去を改変するのですが、そのささいなことで、その後の人生は激変し、逆に予想していなかった悲劇をも招いてしまいます。
あちらをたてれば、今度はこちらが~…という感じで、どうにもうまくいきません。
そして最終手段として彼は‥‥!?

とにかく脚本が抜群におもしろい作品なので、見ごたえがありました。ばら撒かれた伏線が、後々になって「ほう、なるほど~」と徐々にピースが嵌っていくのは快感でした。ラストまで破綻せずに、丁寧に作られたお話です。よくできてます。
彼が過去を改竄したい理由が、幼馴染の女の子のためだったりするのもいいですね。
とってもおもしろかったですね。お薦めです。



b0030720_043572.jpg続きまして「タイムマイン」です。原題では「クロックストッパーズ」。
要するに、時間を停止して〈自分のもの〉に出来るということです。
装置としてはドラえもんの「たんまウォッチ」みたいなものです。
効果としてはサイボーグ009の「加速装置」の役目を果たします。
そんな「ハイパータイム」という機能を持った不思議な時計を手に入れた高校生が、その力を使ってイタズラしまくったりするうちに、やがて装置の〈軍事利用〉を企む組織と闘うことになってしまって
…というお話です。
子供から大人まで楽しめる痛快な作品です。
実際、僕は知り合いの子供たちと一緒に観たのですが、誰かが「ハイパーターイム!」と言うと、それ以外の人たちは解除されるまで動けなくなる…という遊びをして、しばらく楽しんでいました。

「時間よ止まれーッ!!」 
停止した時間の中で自分たちだけが動けるとしたら、あなたは何をしますか?
これもさまざまなSFで描かれてきた、魅力的なモチーフですよね。
この映画、低予算ながらも、「ハイパータイム」による〈超低速〉の世界の表現(昆虫の羽ばたきや、噴水の水など)も工夫され、かなり楽しめました。
他の人からすれば〈超高速〉で動いていることになるのですが、手をつなぐことで別の人もその世界に招待できたり、さらには「ハイパータイム」同士での戦い(まさに009ですが)や、液体窒素などで冷やすと元に戻ってしまう弱点、そして、どんどん常人よりも早く年を取ってしまう欠点など、要所のポイントを抑えた脚本も○です。
オリジナリティーという意味では欠けますが、コメディータッチでとても楽しく観ることができ、ラストもなかなか満足のいくものでした。
もしも置いているレンタル店がありましたら、お手に取ってみてくださいませ。
ちなみに2002年の作品です。



b0030720_053689.jpg続いては、『恋はデジャ・ブ』です。
この作品、大好きです。脚本が本当に絶妙で感心します。
何度も爆笑させてもらいました。ビル・マーレーもさすがですね。
彼が演じる主人公は、テレビの気象予報士です。今は小さな番組しか担当しておらず、仕事に対する不満を抱えていたり、とにかく(主人公でいいの?…というくらい)すごく嫌なやつなのです。
そんな彼が、ある田舎町のお祭り(原題の『グランドホッグ・デイ』はそのお祭りの日のことです)に取材にやって来ます。
やる気もなく、さっさと仕事を済ませて街に帰ろうとするのですが、あいにくの大雪のため、村から出られなくなってしまいます。
けれど、彼が閉じ込められたのは、〈空間〉としての村だけでなく、〈時間〉の牢獄でもあったのです。

原因は(最後まで)不明ですが、「グランドホッグ・デイ」という1日が、彼だけに永久に繰り返されることになるのです。
どうやっても抜け出せません。たとえ何があっても、朝目覚めると、また同じ1日が始まるのです。死ぬことすらできません。
ヤケになった彼は、暴走します。「何をやってもチャラ!」ということを逆に利用して、やりたい放題。
そしてここからがおもしろいのですが、彼は〈学習〉を始めます。例えば、現金輸送車の警備が手薄になるタイミングであるとか。毎日ちょっとずつ、学んでいくのです。
もっと秀逸なのは、ナンパ方法です。初対面の相手に名前と出身校などを訊き、次の日、その情報をきっかけに仲良くなり、また次の日には彼女の好みを知ってさらに関係を深めて…というように、〈トライ&エラー〉を繰り返して、確実にステップアップしていくのです。
そうやって、村中の女性を次々とものにしていきます。(やっぱりひどい男だ~)
しかし1人だけ、どうやっても落とせない相手がいました。同行していた女性プロデューサーです。
純粋で天然な彼女にだけは、彼の悪知恵も通用しません。
そんな彼女に、いつしか本気で恋をしてしまった彼。そして、彼は変わり始める…というお話です。
これだけよくできた脚本も珍しいですね。強いて言えば、肝心のラストが少し弱いところだけです。それ以外は文句なしです。こうして記事を書きながら、また観直したくなってきちゃいましたね~。



b0030720_061363.jpgせっかくなので、『タイムアクセル』もご紹介しておきます。
けれど、原題『12:01』というこの作品、『恋はデジャ・ブ』とあまりにもカブってるんです。
同じ1日をずっと繰り返すというモチーフが同じなのですね。
しかも公開年も同じ1993年。
あちらの作品がなければ、良作としてお薦めできるのですが…。
この作品、ラストが『恋は~』のように「おしい」ではなく、「残念」なくらいに弱いのですね。中盤の〈繰り返し〉はおもしろいのですが。
装置によって反復現象が起こったり、こちらはSFやサスペンス色も濃かったりと、細部やテイストはまるで違うのですが、なんだかワリをくった感じですね。
でも、こちらの方が好きな方もおられるでしょうし、ゆるゆるついでにご紹介させていただきました。
個人的には、監督のジャック・ショルダーも、ヒロインのヘレン・スレイターも、好きだったりします。



b0030720_064699.jpgそして、いわずと知れた『バック・トゥー・ザ・フューチャー』です。
この映画を初めて観た時の感動は忘れられません。
本当に大傑作SFですね。点数付けるなら、120点!
ちなみに2は、72点で、3は、88点くらいですかね~。
愛してます。ただし、吹替版は絶対にダメです。この映画だけは、字幕じゃないと。特にテレビの〈織田裕二版〉の方は、犯罪です。観たのが〈あれ〉だった人は、まさに悲劇です。
ストーリーについては割愛します。みんな知ってるでしょうし、もしまだ観たことがないという幸運な方がいましたら、今すぐレンタルしてきて(パッケージ裏も見ないで)、とにかく観てください。
前半30分ほどは、全部〈フリ〉です。そこさえ越えれば、もう笑って笑って興奮して感動!…まちがいなしです。奇跡の脚本ですね。



それから、これはミステリ小説ですが、西澤保彦さんの『七回死んだ男』も、相当おもしろいですよ。
この本については、以前のレビューで書いてますので、もしよろしければ。

〈時間ネタ〉、これ以外にもたくさんありますね。映画はもちろん小説やマンガなど含めると膨大に。
人はやっぱり、「時間を自在に操りたーい!」という願望、強いんでしょうね~。
あなたなら、「いつの時代」に戻って、「何をしたい」ですか?



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by seikiabe | 2005-01-27 00:00 | レビュー | Comments(44)
〈愛〉の物語
〈激しい恋〉を、〈愛〉だと錯覚している人が、とっても多いです。
世に溢れた〈ラブソング〉や〈ラブストーリー〉のほとんどは、〈恋〉についてのものです。
例の〔世界の中心で叫ばれた〕のも、〈愛〉ではなく、〈恋〉です。
〈恋〉は、楽しく・ときめき・世界を鮮やかに染めてみせ、その一方で悩み・苦しむものです。
〈愛〉は、もっとずっと穏やかで・深く・揺るぎないものです。永遠です。
〈恋〉は〈恋〉でとってもすばらしいものですが、それを〈愛〉と混同するのはやめましょう。

ということで今回は、数少ない〈愛〉の物語の中から、幾つかをご紹介したいと思います。


まずは、『プロポーズの樹』です。
作家にして音楽家でもあり、平和活動に積極的に取り組んでいる、
ジェイムズ・トワイマンという人の作品です。

 「自分の身を捧げることが、この世で唯一本当に大切なことだ」

シンプルで心地よい文体とストーリーに、作者の純粋でまっすぐな
精神が顕れているように思います。
これは、ある1本の樹に捧げられた物語です。
その樹を聖なる場所とした2人。
樹の下で、〈儀式〉として、男は女に〈プロポーズ〉を繰り返します。
彼にとっては、その言葉は全て偽らざる真実の気持ちなのですが、
彼女にとってそれは、やがて現れるはずの〈運命の人〉のための予行演習にすぎません。
それでも、ひたむきに彼女だけを想い続ける彼。
何年も時はすぎ…、やがて彼女に、〈運命の人〉が現れます。
それでも彼は、彼女を、ずっとずっと変わらずに愛し続けます。
そして40年経っても、彼の想いは何一つ変わることはなかった…といった物語です。
ただひたすらに、相手の幸せだけを望み、たとえ離れても、変わらずに想い続けるのが〈愛〉。
そういうまっすぐな美しさに溢れた、〈純愛〉の物語ですね。



続きまして、『きみに読む物語』です。
『メッセージ・イン・ア・ボトル』などでも有名な、ニコラス・スパークスの処女作にして世界的大ベストセラー小説です。
昨年、映画化され、全米で大ヒットいたしました。日本でも来月より公開され、『セカチュー』・『いま会い』の次は、『きみ読む』だ~ッ!
とか、『マディソン郡の橋』を超えた!…などと宣伝中であります。

 「体は死の痛みで弱まるが、
  ぼくの約束は、二人の最後の日まで守られる」

年老いた男が、アルツハイマーに罹って記憶を失った妻のために、自分たちの〈愛の物語〉を話して聞かせ続ける…という物語です。
正直、若き日の2人の〈初恋〉や、その後の再会のドラマは、典型的なロマンス小説のようであまり好みではないのですが、年老いて、互いに死を目前にしながらも、お互いに慈しみ合う現代の2人には涙が溢れます。まさに文字通り、全身全霊を懸け生涯愛し抜いた…という壮絶な〈愛〉ですね。
とっても憧れます。映画もぜひ観たいですね。
こちらのオフィシャルサイトで、予告編その他いろいろご覧になれますので、ぜひどうぞ。



そして、今回最後の作品は、『ケイの凄春』です。
僕が〈心の師〉と仰いでいる小池一夫さんの原作で、小島剛夕さん
との黄金コンビによる大傑作時代劇画です。
お2人の『子連れ狼』に心からの感銘を受け、かつてはマンガ道を
目指した僕だったりもします。
その他、『半蔵の門』や『首斬り朝』などの世紀の傑作についての
レビューも、いずれ必ず書きたいと思っておりまする。
今回ご紹介します『ケイの凄春』は、その〈青春〉を〈凄絶なる愛〉で
染め上げた『ケイ』と『可憐』の、凄まじすぎる〈愛〉の軌跡です。
己の過去も現在も未来も捨てて、ただひたすらに愛する可憐を追う、ケイ。まるで太陽のように激しくまっすぐな生き様に触れた人々は、誰もが強く心を揺り動かされ、自らの人生を考え直します。
そして次第に、多くの人たちが、彼らの再会を我がことのように願うようになります。
それほどまでに、愛だけに生きる2人の姿は、眩しく・尊く・美しいのです。
序盤はずっと、ケイの正体も、その目的も判りません。巻を重ね、彼が無実の罪で投獄された時、ようやく彼らの〈凄春〉の歴史が語られ始めます。
それは想像を遥かに凌駕した壮絶すぎる〈愛の物語〉でした。取調べをしていた役人たちと共に、僕の涙も滂沱のごとく流れて止まりません。なんという〈悲劇〉、なんという〈愛〉!
感動の暴風雨。韓国ドラマが裸足で逃げ出すほど、本当に〈波乱万丈〉な〈純愛物語〉です。
この国にも、世界中に誇れる、これほどのストーリーテラーがいることを、ぜひとも知ってください。
さらに、稀代の天才絵師の描く…人物に、風景に、その線に感動してください。
おそらく誰も知らないであろう作品ですが、今回だけはどうかこの僕に騙されていただいて、ぜひ大型書店かマンガ喫茶に足をお運びくださいませ。
その辺の映画や小説たちが束になろうとも到底敵わないほど、感動のボディーブローを魂に連打される衝撃に充ちた、至高のエンターテインメント作品です。どうぞ、存分に泣いてください。


追記です。今回の記事のきっかけになったのは、なつめさんの記事です。



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by seikiabe | 2005-01-18 23:39 | レビュー | Comments(87)
スピッツ3・『スーベニア』

待っておりました! スピッツの2年4ヶ月ぶりの11thアルバム、『スーベニア』。〈旅の途中〉のスピッツからの〈おみやげ〉です。やっぱりよいですね~。おかげで元気が充電されました!
いや、前作の『三日月ロック』を溺愛していた僕としては、初めて聴いたときは、「う~、なんか違うぞ~」と思っちゃったのですが。望んでいた方向性の音ではなかったもので…。
しかし、〈裏切り〉こそが、正宗さんの真骨頂。またまた新たなる彼らの〈旅〉が始まったということですね。

別の領域に踏み込みをみせたと同時に、〈原点回帰〉とも思わせる懐かしいスピッツの味にもまた存分に溢れているという、重層的で非常に深~い作品になっています。
あまりにも深すぎて、1度や2度聴いたぐらいでは、その全貌が見えてはこなかったのですね。
そして、聴けば聴くほどに、ぐんぐんと、この世界の広がりと輝きにすっかり魅せられていきました。
まあ、聴く回数に比例してよくなるというのは、どのアルバムも全部そうだったんですけどね…。
にしても、このニュー・アルバム、名曲ぞろいですね~。シングルカットしてほしい曲、満載です。
唯一のシングル曲の『正夢』も、このアルバムの中で聴くと、さらに煌めきを増しちゃいますね~。
どの曲がいいとかは、言ってもムダかも。おそらく、10人いれば10人ともお気に入りの曲が違う…というほど、無数に引っかかりどころのあるアルバムです。メロディーも、すっごくキャッチーですし。
〈ポップ〉だの〈ロック〉だの〈ネオ・アコ〉などという括りをあざ笑うかのように、変幻自在・縦横無尽に飛び回るサウンド。今までになく、まっすぐに届いてくる言葉たち。従来のスピッツを超え、そしてもっともスピッツらしいアルバムの誕生です。

   1.春の歌   2.ありふれた人生   3.甘ったれクリーチャー   4.優しくなりたいな
   5.ナンプラー日和    6.正夢    7.ほのほ    8.ワタリ   9.恋のはじまり
  10.自転車   11.テイタム・オニール   12.会いに行くよ     13.みそか

1曲目からいきなりキテますね。あ~、2も3も新鮮だし、バラードもいいです。5も素敵ですね~。7・8かっこいいし、かわいい曲だって切ない曲だってあるし、バリエーションが本当に豊かです。

こちらのUNIVERSAL-Jのサイトで試聴もできますが、断片からでは、解らないと思います…。


そして今回も、歌詞の抜粋でーす! さらに、タイトルをクリックすれば全文が出てきまーす!


   「『どうでもいい』とか そんな言葉で汚れた 心 今放て」               春の歌

   「ああ 心がしおれそう  会いたい」                      ありふれた人生

   「倒れそうな時も心に立っていた 大事な樹だよ 切らないで」    甘ったれクリーチャー

   「君のことを知りたい どんな小さなことも」                   優しくなりたいな   

   「遠慮はしないで 生まれたんだから  炎になろうよ」            ナンプラー日和

   「あの キラキラの方へ 登っていく」                             正夢

   「今 君だけのために 赤い火になる  君を暖めたい」                 ほのほ

   「心は羽を持ってる この海を渡ってゆく」                          ワタリ

   「それは恋のはじまり そして闇の終り  時が止まったりする」         恋のはじまり

   「ペダル重たいけれど ピークをめざす」                           自転車

   「臆病な声で 始まりを叫ぶ」                           テイタム・オニール

   「捨てそうになってた ボロボロのシャツを着たら  外に出てみよう」       会いに行くよ

   「越えて 越えて 越えて行く  命が駆け出す」                      みそか


スピッツをまだアルバムで聴いたことがないという方、これはよいチャンスですよ。
ぜひぜひ聴いてみてくださいませ~。絶対にあなたのイメージとは違うはずです。
〈甘い〉とか〈青い〉とかいうだけじゃないのです。あらゆる味や色が複雑に溶け込み、それでいて
透き通っていて舌にも優しいという不思議な味わいですよ。(栄養価は不明ですが)
とりあえず、5回は聴いてみてください。間違いなく、あなたはもう、ずっと口ずさんでいるはず…。



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by seikiabe | 2005-01-14 05:53 | レビュー | Comments(42)
『幸福の王子』と『ちいさなくれよん』
「まず自分が幸せでないと、誰かを幸せにすることなんてできない」
そう、おっしゃていた人がいました。
僕は納得できず、反論しました。
僕にとっての〈優しさ〉とは、「自分よりも、相手のことを優先する」ことだったからです。
でも、間違っているのは、僕のほうかもしれません。
ただ、僕にはそんな生き方しかできないのです。

僕の親友は、そんな僕のことを
「あなたって、『ちいさなくれよん』みたいな人よね」…と言いました。
そう言われて、僕自身も深くうなずきました。
「そうだよね。ああいう生き方って憧れるよね」…と。
「僕もいつか、ああして星になりたいな」…と思っています。

という話を彼女にしたら、彼女は
「そっか。わたしは、あなたは『幸福の王子』だと思ってたよ」…と言いました。
それも納得でした。
「でも、『幸福の王子』は、まず裕福だったから、みんなを助けられたんだもんな~」…と、
例の「まず自分が幸せでないと~」という説を思い出し、哀しくなりました。
すると、彼女は続けてこう言いました。
「それで、わたしが、ツバメだからね」…と。
感動しました。彼女には心から感謝しています。本当にいつもありがとう。愛してるよ。

え~、まったくもってエンターテインメント性のないお話でした。ごめんなさい。
最近、どうもこんな感じですいません。
それでは、気を取り直しまして、レビューいたします~。


折れて短くなってしまった黄色いくれよんは、くずかごの中に
捨てられてしまいました。
「お~い ぼく まだかけますよ~」
そう叫んでも、誰も聞いてくれません。
「でも ぼくにも まだできること あるはずだよ」
そう思ったくれよんは、旅に出ます。
そして出会った、色がかすれて消えそうだったヒヨコの絵に、
黄色い色を塗ってあげることにしました。
おもちゃの自動車、道端の石ころ、誰かのことを塗るたびに、
くれよんの体は、どんどんと短くなっていきました。
そしてとうとう、もう豆つぶのようになってしまいました。
すると夜空に、消えそうになっているお星さまがありました。

そこでくれよんは、そのお星さまを塗るために、最期の力を振り絞って飛んでいくのでした。
…というようなお話です。
文章も絵も、今読むと少し古い感じもしますが、とっても素敵な絵本です。
子供たちに、「ものを大切に使おうね」…と教えるための本なのかも知れませんね。
でも、僕はこのくれよんに激しく共感してしまいます。
〈使命〉を果たせたくれよんは、とっても幸せだったろうな~と思います。


そして、オスカーワイルドの『幸福の王子』です。
このお話は有名なので、ご存知の方も多いと思います。
『The Happy Prince』なので、『幸福な王子』とされる場合
もありますね。
あらすじをご覧になりたい方は、『幸福な王子コンサート』
サイトで、紙芝居風になった物語が紹介されていますよ。
ただし原作の小説は、一般的に知られているお話とは、また
少しだけ趣きが違っていて、どちらかというと大人向けの物語
になっていたりするのです。
この写真の本は子供用に直されたものの方ですが、ブクログへのリンクは、原作の方にさせていただきました。


また、こちらの『幸福の王子』のサイトで、原作の方の全文訳が読めるようになってます。
お時間のあります方は、ぜひぜひどうぞ!

今の季節に読むと、また一段と心に染みるお話ですよね~。
王子の〈博愛〉以上に、つばめの〈献身〉に心を打たれますね。
そして、王子とつばめの間の〈愛〉が、とっても美しい物語です。


『自己中心思考』の記事を書いた僕に対して、mikiさんは、
 「〈悪〉と感じるものへ焦点をあてて批判することにエネルギーを使うのではなく、
  〈愛〉と感じるものへ焦点をあてて広げることを選んでいって欲しい」
…と言ってくれました。ありがとうございます。

そこで、このレビューを『自己中心思考』の完結編とさせていただきます。
すべての人の心が、〈愛〉で満ちることを強く願いながら、みなさま~~

Merry Xmas!! & I Love You!!




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by seikiabe | 2004-12-22 22:09 | レビュー | Comments(30)