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今日のリラックマ占い(2/26)
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「 今ちょっといなくなっていただけです 」







やっぱり、ブログやってる時間がありませんです。ごめんなさ~い。
まもなく戻って参ります! コメントもその時にさせていただきます。



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by seikiabe | 2005-02-26 16:54 | リラックマ占い
生きる力
人はときどき、自分がたった独りぼっちでいるような気になります。
〔人生には価値がない〕、〔生きることに意味などない〕などと考えてしまうことがあります。
平凡で退屈な毎日に飽き、それなのに次々と襲い来る苦悩の連続に疲れ果てて、やがて
激しい自己嫌悪に陥って、すべてを投げ出したくなる時もあります。
けれどそれは、あなたの心が少しばかり疲れすぎて、見失っているせいなのです。
目を閉じて、ゆっくり深呼吸しましょう。
あなたのことを愛してくれている家族や友人たちのことを思い出してみてください。
そして、あなたのその肉体と魂の内には、強く揺るぎない〈生きる力〉がまるで溢れんばかりに
詰まっていることを、どうか忘れないでください。
あなたは、あなたであるだけですばらしい。
生きる価値のない人なんて、1人もいません。意味のない人生なんてないのです。
あなたがいてくれることで、喜び・助けられている人たちがいます。
生き続けていくことだけで、あなたは充分に成し遂げているのです。
世界はあなたに無関心ではないし、まして敵ではありません。
すべての〈命〉は、あらゆる〈人生〉は、重なり合い・つながり合っているのです。
だから、その〈つながり〉を絶つことなど、けしてできないのです。
僕も生きます、どんなに不様でも! みなさんも生き抜きましょうね!!

え~、それでは今日は、こんな僕の言葉なんかよりも、もっとずーっと深くて説得力を持った
〈心の糧〉となるような本を、いくつかご紹介させていただきたいと思いま~す。



まず最初にご紹介するのは、『天国の五人』です。
世界的・超ベストセラーのノンフィクション・『モリー先生との火曜日』の著者である、ミッチ・アルボムが書いた小説で、この作品もすでに全米で550万部を超えるというメガ・ヒットになっています。
これはエディーという、ある平凡な男の物語です。
彼はその生涯を、海の近くの小さな遊園地の〈メンテナンス〉として過ごします。とはいえ、けしてなりたくてなった仕事ではありません。
戦争の傷で片脚が動かないのもあり、父親が死んだ時にその後釜を継ぐ形になって、抜け出したいと思いながらもそれもできぬまま、ずっと油塗れで整備を行ってきました。
最愛の妻もずっと以前になくし、子供もいません。

そんな彼の人生は、担当するアトラクションの事故という、予期せぬ形で突然の終局を迎えます。
そして、この物語は、そこから始まるのです。
気付けばエディーは、不思議な場所に立っていました。どうやら、そこは〈天国〉らしいのです。
そして彼は、これからこの場所で、5人の人物と出逢うことになります。
彼らは、エディーにある重大なことを教えるために、ここでずっと彼を待っていたのです。
5人の話を聞くことで、エディーはじつに退屈だとばかり思っていた自分の人生の別の側面を知り、そして初めて、自分が生きてきた〈価値〉や〈意味〉に気が付くこととなるのです。
その人物たちが誰であるのかは、秘密にしておきましょう。
5人によって語られる、エディー自身も知らない彼の人生の物語は、非常に興味深いものでした。教訓を含んだ寓話としてもすばらしいし、5つの短編と捉えても、それぞれに魅力的な物語です。
何度も胸が熱くなりました。そして、5人目との邂逅を済ませたエディーが知った〈人生の真実〉を
伝えるラストシーンには、涙が溢れ出しました。
帯のコピーの通りに「ムダな人生なんて、ひとつもない」ということが、心の奥に刻み込まれました。
〈天国〉の存在は信じない僕ですが、こんな〈天国〉なら行ってみたいかもですね。
〈魂への贈り物〉という言葉がまさに相応しい、大感動の物語です。



つづきまして、『生きている ただそれだけで 美しい』です。
アウグスト・クリというブラジルの精神科医の方が書かれた本で、
ラテンアメリカを中心に大ベストセラーとなったメッセージ本です。
この本を読み自殺を思いとどまった…という声も殺到したそうです。
誰にでも伝わるシンプルな言葉でひたすらに綴られているのは、
生命への賛歌です。生きることのすばらしさです。
そして、この本を読んだ人は、あるとても重要なことを思い出します。
それは、我々ひとりひとりが〈歴史上最大の闘い〉の勝者である!
…という真実です。
あなたが今、こうやって生きていること自体が、いったいどれほどの奇跡的な成功のもとにあるか。そのことを忘れてはいませんか?
我々の誰もが、オリンピックで金メダルをとるよりも、エベレストの登頂を成し遂げるのよりも、さらにずっと困難なことを、すでにやってのけているのですよ。
それは、あなたが〈生まれた〉ということです。
競争率がじつに4000万分の1という、過酷で熾烈なレースの表彰台を力で勝ち取ったものにしか、この世界を見るチャンスは与えられなかったのですから。
すべての人はみんな、途方もない厳しい試練に打ち勝ち、群がりくるライバルたちをぶっちぎって、その結果として〈生〉という輝かしい勝利を獲得しているのです。
1人の〈生〉の栄光の影には必ず、4000万もの敗者たちがいます。
我々は、そのたった1人の、誇りある〈勝者〉であることを忘れてはいけません。
自分自身の強靭な〈生き抜く力〉、己の貪欲な〈生への執着〉をみくびってはならないのです。
あなたは、すでに〈勝者〉なのです。


つづきまして、『人はどうして死にたがるのか』です。
心理療法カウンセラーの下園壮太という方の本です。
こちらは逆に、なぜ人は〈生きる力〉を失ってしまって、〈自殺〉という最悪の道を選んでしまうか?…ということについて書かれています。
そういった心理を、論理的に、明解に説明してあります。
ときどき自殺を考えてしまう人も、そうでない人にも必読の書です。
内容を簡単にだけ言いますと、我々の遺伝子の中に組み込まれた「感情のプログラム」が、ときとして〈誤作動〉を起こすことによって、「絶望のプログラム」が発動してしまった場合に、人は〈死〉を選んでしまうというのですね。
本来は〈生きる力〉を強めるための「プログラム」が、皮肉にも結果的には、人を〈殺す〉ことになってしまうのです。
原始の時代から我々の中に宿った「感情のプログラム」は、危機的状況の中でも〈生き残る確率〉を高めるために、プログラミングされています。
しかし人類は、ほんのわずかばかりの間に、急激に生活環境を変化させてしまっています。
だから現代社会においては、その原始的な「プログラム」は、まったく対応できていないどころか、反対にその〈誤作動〉によって、〈生きる力〉を奪ってしまう形で作用することが多くなっています。
それが「うつ」というものであり、そのために人は〈死にたがる心〉を持ってしまうというのです。
そういったメカニズムについて、とても詳しく・解りやすく説明してあります。
さらにこの本では、「どうすれば〈誤作動〉を防げるか」についても書かれてあり、〈うつ〉になった人がどうやって回復していけばよいかも、丁寧に解説してあります。
精神論ばかりではなく、こうした科学的・論理的な知識を得ることは、必ずためになると思います。
なので、未読の方はぜひ読んでみてくださいませ。


そして続編の、『愛する人を失うと どうして死にたくなるのか』です。
こちらの本は、人の〈死にたくなる心理〉の中でも大きな要因となる「大切な家族や恋人や友人を失った場合」について特化し、さらに
詳しく書かれています。
「愛する人の死」に直面した人は、その大きな喪失感を埋めるすべを見つけられずに、どうしてもそれを受け容れることができなかったり、また自分自身を激しく責め立てたりすることで、いつしか自らも〈死〉を望んでしまう。そういった心理について解説してあります。
これもやはり同じく、〈誤作動〉によって〈間違ったプログラム〉が発動してしまったことによるものなのです。
強い衝撃をきっかけに、〈うつ〉の状態になってしまっているのです。
愛が深ければ深いほど、またその哀しみも深く、自覚はないままに「絶望のプログラム」を発動させてしまっているのですね。
「愛する人を失う」という悲劇は、誰もが遭遇し、そして乗り越えなければならない試練です。
そこで、「絶望のプログラム」を発動させないために、たとえ発動しても止められるように、このことを
知識として得ていることは重要だと思います。
「時が癒してくれる」ということももちろんですが、自分が〈うつ〉であることを認識して対処することも有効のはずです。
この本では、愛する〈家族〉・〈恋人〉・〈友人〉、さらには〈ペット〉を失ったそれぞれの場合について、そして失った相手が〈自殺〉だった場合についても、個別にその対処法が書かれています。
愛する人を失った〈直後〉・〈半年後〉・〈数年後〉といったようにも章が分けられ、それぞれの時期の人がどういう悩みを抱え、どうすればその苦しみから救われるかが、懇切丁寧に綴られています。
あなた自身が今まさにそういった状況にある人も、現在はそうではないという人も、読んでまったく損はないと思います。もし見かけた方は、手に取ってみてくださいませ。


生きるのに疲れ果てている方、道を見失いそうになっている方、そして人生の真実を知りたい方。
もし今回ご紹介した本がお役に立てれば、とても光栄です。
最後にもう一度だけ。かけがえのないあなたを、愛し、大切にしてあげてください。
生き抜きましょう! 僕も生きます!!



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by seikiabe | 2005-02-26 00:00 | レビュー
今日のリラックマ占い(2/19)
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「 こだわりってちょっとは必要 」







更新およびみなさまへのコメントがすっかり滞っていて、たいへん申し訳ございませんです。
しばらく非常に忙しくなりそうなので、なかなかブログに来られないかもしれません。
なんとかお許しいただき、できれば存在を忘れないでいただけると、とてもありがたいです。

〈こだわり〉といいますと、僕はこう見えてもかなり〈こだわる〉タイプだったりします。
たとえば、書きかけで〈停止〉もしくは〈封印〉してしまっている記事も多く、レビューなどは
テーマに沿ってある程度の数がまとまらないと公開しなかったり…。
自分の納得できない記事が載っちゃうのが許せないんでしょうね~、たぶん。
ま、単純に書く速度が遅い上に、推敲にも時間がかかるってのもありますが。
近頃はこのリラックマくんのおかげで、ゆるゆるなことも書いたりしてますが、心のどこかで
〈エンターテインメント〉としての記事を書かねば~!…って、変な意識があるのでしょうね。
〈アート〉と〈エンターテインメント〉という記事があるので、ご参考にしてください)
けれど、悩むほどに書くのは遅れ、結果的に〈エンターテインメント失格〉になってるのです。
こんな僕の記事でも楽しみにしてくださっている方には、本当にごめんなさい!!
いないとは思いますが、「あのさ、レビューとかもいいけど、小説の続きが読みたいんだけど」
…なんて方がおられましたら、お詫びのしようもございません。許してくださいm(_ _)m


あと、ちっちゃい〈こだわり〉は、それこそ山のようにあります。
みなさんは、どういった〈こだわり〉をお持ちですか?
それから、最近よかった本とか映画とかあったら教えてくださ~い♥



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by seikiabe | 2005-02-19 06:59 | リラックマ占い
『ななつのこ』~心に染みるミステリ~
 〈騙される快感〉を味わいたくて、たくさんの本格ミステリを読んできました。
『十角館の殺人』 『殺戮にいたる病』 『頼子のために』 『ある閉ざされた雪の山荘で』
 
『i -鏡に消えた殺人者-』 『黒猫の三角』 『葉桜の季節に君を想うということ』、etc…。
 その驚嘆のラストに呆然とし、作者の緻密な計算と底意地の悪さに感服したものです。
 伏線は充分に張られて、目の前に大胆にヒントがぶらさがっていたのにもかかわらず、
明かされた真相は想像の外にあり、描いていた世界は突如捩れて反転してしまいます。
 〈論理性〉と〈意外性〉の二重奏。思考の盲点を衝く痛快な発想。作者と読者の頭脳戦。
 それこそがミステリの真髄でしょう。
 
 ただ欲を言えば、本格ミステリの多くは、トリックや怪奇性ばかりに傾いて、あまりにも
荒唐無稽になっていたり、その世界観に馴染めず登場人物にも感情移入できなかったり、
文章自体が読むに耐えないものすらあったりします。
 さらに、ミステリはどうしても〈殺人事件の犯人を暴く〉というストーリーが多いため、怨み
や憎しみといった人間の〈悪意〉が描かれる話になりがちです。
 例えば、〈愛して信じていた恋人が真犯人!〉だったりすると、意外性は充分な代わりに
後味はなんとも苦くなります。じつは最初から計画として近づいていただけで、愛どころか
ずっと憎んでいた…なんて告白され、しかも最後に自殺なんてされた日にはもう最悪です。
 読者への裏切りと、読後感の苦さは裏腹だったりします。

 そう思っていたある時、村瀬継弥さんの
『藤田先生シリーズ』を読みました。
 ある小学校に手品の得意な先生がいて、ときどき魔法のように不思議な現象を起こして
生徒たちを驚かします。そして、その魔法には先生からの暖かいメッセージが込められて
あり、それによって生徒たちが救われたりする…といったお話です。
 その先生の手品の種を解明する…というミステリなのですが、トリック自体は奇術の好き
な人なら想像のつくものだったりもします。文章も少し拙い感じがします。(ごめんなさい)
けれど、その世界や人間を〈善〉と捉えたメルヘンな物語は非常に心地のよいものでした。
 村瀬継弥さんの作品を読んで、〈読者を欺き、裏切る〉…それこそがミステリの魅力だと
思っていた僕は、〈読者を暖かい気持ちにするミステリ〉もありだな…と考えを改めました。

  そして同じ頃に、加納朋子さんの『ななつのこ』に出逢ったのです。

 『ななつのこ』は、入江駒子という短大生が、表紙の絵に惹かれ
「ななつのこ」という本を手にしたことから始まる物語です。
 駒子は、作者にファンレターを書きました。
 その手紙には、最近彼女の身の回りで起こった少し不思議な事件
についても書いていたのですが、ファンレターの返事には、その事件
の謎解きがされていたのです!
 そうした手紙のやりとりが主軸となったお話で、全部で7話からなる
連作短編集なのですが、作品の中の「ななつのこ」にもミステリ要素
があり毎回謎解きがあるという趣向のため、まさに謎解き満載の作品
になっています。さらに最終話では、全編にわたる最大のミステリも明かされて、1つの長編
ミステリとしても楽しめます。
 1つ1つの謎の解答は、勘のいい方ならあるいは気付くかもしれませんが、そんなことでは
この作品の価値は下がりません。
 駒子の日常を描いたその作品世界自体が、存分に魅力的なのです。
 ミステリとメルヘンの美しい融合がここにあります。


 続編となる『魔法飛行』は、4つの中篇による作品ですが、さらに完成度が増した印象を受けます。
 こちらも絶対必読ですよ。タイトルもいいですね。
 まさに心に染みる素敵なお話です。
 
 さらに続編の『スペース』が遂に出ました!
 こちらも心温まる良作です。ただし、前2作を先に読まれた方がよいでしょう。


 駒子シリーズ以外では、〔エッグ・スタンド〕というバーを舞台にした『掌の中の小鳥』も好きです。
 こちらも連作短編集になっています。

 日本推理作家協会賞を受賞した『ガラスの麒麟』も非常にすばらしい作品です。
 ここでは遂に殺人事件が起きるのですが、6つの切なくも美しい物語が1つに繋がるそのラストでは、胸に静かな感動が訪れることでしょう。

  加納朋子さんの作品は、ミステリとしても良質な…本格推理小説です。
  そしてその読後感は、驚きとともに、柔らかな光と爽やかな風に包まれたようです。




 
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by seikiabe | 2005-02-19 00:00 | レビュー
今日のリラックマ占い(2/15)

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「もう一度だけなんて言わずに
 何度でもやってみてください」




『だららん日和 ~リラックマ生活2~』より



   『SEED DESTINY』、ちょっとず~つ盛り上がってきましたね。(まだまだですが)
   『DEATH NOTE』、5巻にきてちょびっと中だるみ? おもしろいんですけどね。
   『HUNTERxHUNTER』、21巻ようやくですね~。ドラゴンボール・ワールド全開??

   風邪やインフルエンザなどが流行っていますが、みなさまお気をつけくださいませ。
   もしかかってしまった人は、ちゃんと充分な休養と栄養を摂ってくださいね。
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by seikiabe | 2005-02-15 00:00 | リラックマ占い
『雪を待つ八月』と『あの空をおぼえてる』
一撃でやられる時があります……。
本当にいい作品は、最初の1ページを読んだだけで、物語の世界にグイと引きずり込む力を持っているものです。『いま、会いにゆきます』や『博士の愛した数式』などは、冒頭の数行を読んだだけで迷いなく買うことができました。
自分の〈肌に合う〉作品だということが確信できたからです。
僕は〈平易な文〉が美しい文章だと思っています。やたらに凝った言い回しをしたり、妙に気取った装飾過多な文章、いわゆる〈美文〉は好きではありません。
日常的な語句だけを用いて読みやすく、それでいて内容や空気感が的確に伝わってくる…そんな文章が、本当の名文だと思っています。
〈機能美〉こそが真の美である…と信じているのです。
ありふれた言葉なのに新鮮な使い方をしているあたりにセンスを感じます。

狗飼恭子さんもそんな1人です。
そして『雪を待つ八月』の最初の数行には、本当にうなりました。

  約束をして下さい。
  「もしもいつか私以外の誰かを好きになったなら、そのときは、一番最初に私に言ってね」

〈恋する女の子〉の不安な気持ちを、真っ芯で捉えたような会心の一文だと思いました。
レジに直行です。

これは失恋の物語です。
優美は、年下の雪道という男の子と、2年あまり同棲していました。
「大丈夫だよ。俺は、他の誰かのことなんか好きにならない」
そう強く言ってくれた雪道。
しかし優美は、幸せすぎる毎日の中で、ずっと不安を抱いていました。
そして、ある晴れた夏の日。
雪道は「他に好きな人ができた」と優美に告げます。
彼は約束を守ったのでした…。
他に行くあてもない雪道に、優美は1ヶ月間、一緒に住むことを許します。

別れが決まった上で、まだ愛している人と共に暮らす。その優美の心の苦しみも知らず、
「……優美さんって、本当に優しいんだな」と笑う彼。
「〈優しい〉って言葉の意味も分からないくらい、君はまだ子供だったんだね」と思う優美。
こんなに近くにいるのに、遠く離れてしまった2人の心。
刻一刻と近付く別れの日。優美はどうしてもその現実を受け止めきれません。
そして彼女は、八月に雪が降るような奇跡を願う…という物語です。
とっても切ないお話ですね。女の人ならほとんどの人が共感できると思います。
男もこの作品を読んで、少しは女の子の繊細な気持ちを理解するように努力しましょう。


『あの空をおぼえてる』にも一発でやられました。

  ウェニーへ。
  ぼくも死んだんだ。二人がトラックにひかれたときじゃなくて、そのすぐあと、病院で。

ウィルは、空を飛び回ったあとで、ウェストフォール先生の電気ショックで地上に戻ってきました。
そして、今もまだ空で遊んだままでいる幼い妹ウェニーに宛てて、手紙を書き始めるのでした。
妹はとても明るくて、誰からも愛されていました。
目に光を失い心に穴が開いたような両親。
ウィルは、〈妹を殺したのはぼくだ〉、〈ぼくの方が死ねばよかったのに〉と思い込みます。
1人が欠けて、バランスを失って壊れ始める家族。
ウィルは、もう一度みんなに笑顔が戻ってほしいと願います。
〈みんなが家族でいられるように〉、そのために自分が生き返ったんだと信じるウィル。
ウィル自身が、その小さな身体には重すぎる苦しみを背負いながら、それでも家族のことを思って懸命にがんばる姿に、胸を打たれます。暖かいラストには涙が滲みました。
〈妹への秘密の手紙〉というスタイルにしたのがすばらしいですね。
愛する妹に心配を懸けまいとして、元気を出して綴った文章……それがほほえましく、切ないです。

どちらの作品も、僕の分類では〈メルヘン〉です。
そしてどちらも、1人称の文章が巧みで、自然に感情移入してしまいます。
こういった作品が、今の僕の目標です。



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by seikiabe | 2005-02-12 00:00 | レビュー
ちょび前のリラックマ占い
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不安って 動物のシッポのようなもの






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やめるのも始めるのも きめるのは自分です



『だららん日和 ~リラックマ生活2~』より



〈復活〉は遂げたものの、まだ〈再生〉には到っていなかったのですが、まもなく充電完了します!

世間はワールドカップに盛り上がる中、よくも悪くも〈代理戦争〉な存在を複雑に見守る今日この頃。
スポーツといえども、どちらか一方(自国とかひいきのチーム)だけを応援はできない僕であります。
「どっちもがんばれ~!!」…じゃ、ダメですか?
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by seikiabe | 2005-02-10 13:38 | リラックマ占い
SFとミステリの幸せなる出逢い
 じつは僕は、〈ミステリ・ファン〉である前に〈SFファン〉だったりします。
 ポー、ドイル、ルブラン、クイーン、カー、クリスティー、チェスタートンと共に、
 ウェルズ、ブラッドベリ、アシモフ、クラーク、ハインラインなどで育ちました。


アイザック・アシモフの『われはロボット』も大好きです。
まさに古き良きSFここにあり、ですね。
ミステリ的な謎解き要素のあるお話や、ロボットと人間との友情や愛情を描いた感動作もある傑作短編集です。
ところが、映画化された『アイ,ロボット』を観てがっかりしました。
原作の静かで美しい雰囲気、そして哲学的要素は完全消滅して、単なるハリウッド的アクション映画になってしまっていたからです。
ストーリーは『鋼鉄都市』のシリーズなどからも流用されてるようですが、どれともかけ離れているし、あまりにも単純です。
あれならば『I,ROBOT』の名前を名乗る必要などなかったでしょう。
監督はアシモフの大ファンだというのですが、「どこがだよ~」って感じです。
原作(姉妹作『ロボットの時代』の方かもしれませんが)には〔1000台の中に1台だけ自我を持つロボットが紛れていて、それを見つけ出す〕というすばらしい設定のお話があって、どういうテストをすれば自我の有無を見分けられるか…試行錯誤し様々な試みをしていく中で、はたして自我とはいったい何なのか?!…という深遠なテーマに迫っています。
ところが映画では、これに似たエピソードを〔銃で撃って、逃げたやつが犯人〕的な、まったくもって知性のカケラもない方法で一瞬で解決?してしまうってんですから~‥‥。残念ッ!!
『バイセンテニアル・マン』を映画化した『アンドリューNDR114』の方が、まだずっとよかったです!

えー、少し感情に流されてしまいました。
とにかく僕はSFを愛しています。
ミステリの前はSFを書いていたのですが、SFになるとどうしても哲学というかエンターテインメントではない方向に突っ走ってしまいがちだったため、もっと広く誰にでも読んでもらえるものをと思っていたら、〈新本格ミステリ〉にはまってしまって現在に至る…というわけなのです。

といったわけで、〈本格ミステリ〉に〈SFテイスト〉を採り入れる…という野心的な試みをされてきた
西澤保彦さんの作品群には、すっかり魅了されてしまいました。
SFとしてはべりー・ライトで、『ドラえもん』的なギミックを軸にした〈SFチック・ミステリ〉です。
と言っても、バカにしているわけではありません。『ドラえもん』は本当にすばらしいSF作品です。
幼稚園児にも〈多次元〉や〈タイム・パラドックス〉といった概念を平易に伝えたり、〈どこでもドア〉や〈タイムふろしき〉に代表されるような至高のガジェットをいくつも産み出してきたんですから。
〈暗記パン〉に〈自信ヘルメット〉に〈ほんやくコンニャク〉、さらには〈もしもボックス〉などの、けっしてありえないけれど魅惑的な道具たちを、欲しいと切に願う時がある大人は僕以外にも多いはず。
藤子・F・不二雄さんは、まさに大天才です。僕の〈心の師〉の1人であります。
『未来ドロボウ』や『パラレル同窓会』などの、SF短編マンガの大傑作もたくさん描かれています。

またちょっと脱線しましたが、とにかく西澤さんのSFチック・ミステリはおもしろいですよ。
ライトでコミカルで読みやすく、けれど「読者を騙そう」(あくまでフェアに)…という〈ミステリ精神〉に溢れた素敵な作品を数多く書かれています。
そしてそのお話は、設定だけですでに興味を惹かれるものばかりです。

まずは『七回死んだ男』という作品です。かなり笑わせてもらいました。
設定はこうです。主人公であるキュータローは特異体質の持ち主です。
それは、ときどき〈時間反復落とし穴〉にはまってしまい、何度も同じ1日を繰り返してしまうというものです。
本人はようやく慣れつつもあったのですが、今回〈落とし穴〉によって反復された1日は、〈殺人事件〉が起こる日だったのです!
その被害者はキュータローのお祖父さん。〈落とし穴〉にはまっていることに気づいたキュータローは、それならば…と、事件を防ごうと行動します。そして見事に犯人と思われる人物を捜し出し、その人物を犯行時刻には被害者から遠ざけることに成功しました。
だがしかし! なぜかお祖父さんは、別の何者かによって殺されてしまうのです。
ならば今度こそは…と、次の反復では犯行を未然に防ごうと奮闘とするもやはりまたしても!…といったストーリーです。結局〔七回死んだ男〕を、最終的に護りきることはできるのでしょうか?!
ラストには、とびっきりのオチが待っています。


続いては『人格転移の殺人』です。奇想天外なこの作品、大好きです。
設定はこうです。大地震に巻き込まれた主人公たちが意識を取り戻したのは、とある奇妙な実験施設でした。
そして、そこに逃げ込んだ男女6名の人格は、なぜだか〈スライド〉して、みんな別の肉体の中に入っていたのです! 
ある一定の法則によって、繰り返されていく〈人格転移〉。その閉ざされた特殊な空間で、恐怖の〈連続殺人〉が始まったとしたらもう大変!
なんせ人格がどんどんと〈スライド〉していくわけですから、外見だけでは誰が誰だか判らないんです。
今この瞬間、いったい誰が犯人で、誰を信じればいいのやら大混乱です。真犯人を突き止めた…と思ってもまたまた〈転移〉。もう頭の中、完全にシェイクされちゃいます。
結局、誰の〈人格〉が真犯人か?…というお話なのですが、もちろん一筋縄ではいきません。
そしてその意外な結末とは…?


他には、突然現れた虹色の壁に触れると自分と完全に同じ〈コピー人間〉ができ、しかもコピーの方も人格を持っているし、オリジナルとの区別さえ極めて困難…という状況下での連続殺人事件を描いた『複製症候群』。

〔何か疑問を抱くと、自分ともう1人を除き、全ての時間が停止してしまう〕という特異体質の少年が、ナイフが刺さった男を発見してしまい、その謎を解明するまでは永久に時間が停まったまま…という世界の中で、さらに次々とナイフに刺された人たちと遭遇してしまい、謎は深まるばかり…という『ナイフが町に降ってくる』。

さらに、〔ちょーもんいん(超能力者問題秘密対策委員会出張相談所)〕の神麻嗣子の登場する『超能力事件簿』のシリーズは、超能力が存在する世界で、その不正使用を行った犯人は誰なのか?…をあくまで本格推理で丹念に解いていくお話です。
それにしても、よくも次から次へとまあ…って感じですよね。
これらの設定のどれかに興味を持たれた方は、西澤保彦さんのお名前をぜひご記憶を。
ちなみに、正統派ミステリの傑作もたくさん書かれているので念のため。



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by seikiabe | 2005-02-10 00:00 | レビュー
今日のリラックマ占い(2/9)

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たのしいごはんがいいごはん



『リラックマ生活 ~だらだらまいにちのススメ~』より



   とりあえず、復活いたしました~^^ そして、昔の記事↓なんかでごまかしてみたり‥‥
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by seikiabe | 2005-02-08 18:20 | リラックマ占い
『暗いところで待ち合わせ』とか…
 乙一さんの本をまだ読んだことのない人、いますか?
 なるべく急いで、『失はれる物語』か 『ZOO』をお買い求めくださいませ。
 どちらもハードカバーの短編集で、おそらくは〈ミステリ〉、ひょっとして〈ホラー〉といったコーナーに分類されているでしょうが、そういった枠には収まりきらない〈おもしろい物語〉が、そこにあります。


 たとえば表題作『失はれる物語』は、事故により右腕以外の感覚が一切麻痺した男と、その妻の物語です。完全なる暗闇の中で、妻の触れる右腕の感覚だけが世界の全てとなってしまった男。
 音楽教師だった妻はやがて、男の腕をピアノとして演奏を始める…。
 極限状況の中で試される愛。とても哀しくて美しい素敵な物語です。
 『傷』は、他人の負った〈傷〉を自分の肉体に移動させることのできる少年の物語。人を癒す度に自らその苦しみを背負い込んでいく、それでも人のためにありたいとする少年。その無垢なる精神。彼自身の傷が癒される日は訪れるのか?…といった物語です。
 そういった切ない話から、ダークな話、トリッキーな話、ひたすら奇妙な話など、なんでもござれの変幻自在・天衣無縫の天才的ストーリーテラーです。
 その他の作品では、ミステリ色の強い 『GOTH』や、ホラーテイストの 『暗黒童話』などのお話も抜群に面白くてお勧めです。
 

  僕が特にお気に入りなのが、『暗いところで待ち合わせ』(幻冬社文庫)という作品です。
もしジャンル分けするならミステリであり、事実ミステリとして面白いのですが、僕はその世界観になんとなく〈メルヘン〉を感じるのです。
 殺人の容疑で追われる青年が潜伏先として選んだのは、盲目の女性が独り暮らしする家でした。次第に不安が募っていく彼女と、息を潜めながらその様子を見つめている彼。その双方の気持ちを丁寧に描いていきます。
正直、設定としてはコント寸前ですよね。いくら目が不自由でも、自分の家に誰かが隠れ住んで、冷蔵庫を漁ったりしてバレないはずはないでしょう。そしてやはりというか彼女に気づかれてしまいます。殺人犯として指名手配中の男だということも。
しかし、彼女は彼が悪い人間ではないと感じ、黙って彼の分の食事を用意するようになる…という展開になるのがいいんですよねー。会話はないけれど暗黙の了解の下に過ごす奇妙な同居生活。彼女も彼も、素直すぎて生きるのが下手で、ともに深い孤独を抱えている。そんな2人が、次第に静かに心を通わせていく。そういったあたりが、綺麗で暖かくって大好きです。メルヘンだなーって思いますね。
 設定は奇抜なのに、その世界に読者をスーッと引き込んでいく筆力が素晴らしい作家さんです。


 ついでにといってはなんですが、乙一さんの作品でもマイ・フェイヴァリットなのは、短編で『BLUE』という作品です。『石の目』という新書か、もしくはそれを改題した『平面いぬ。』という文庫(集英社)に入っています。
 これはまさに〈純メルヘン〉な作品といえます。
 主人公のBLUEは、〈できそこないの人形〉です。
 買われていった家の子供には、〈かわいくない〉といつも粗末に扱われています。他の人形からもバカにされます。けれどもBLUEはそのことにすら気づかないほど無垢なのです。外見だけで全てを判断する世界は、BLUEに冷たい。それでもBLUEは、世界を愛し続ける。
 そんなBLUEの健気さに心を動かされ、涙すらしてしまう名作童話です。

 僕自身も最近は〈メルヘン〉な作品を書いたりしています。
 たとえば現在アップしている『ハート家の名探偵』も、〈メルヘン・ミステリー〉と呼べるものです。
テイストが〈甘い〉という意味だけではなくて、じつは物語をそして世界を〈抽象化〉する…という方向で作者は心を砕いていたりします。読んでいただいた方でも気がつかないかもしれませんが、あの作品には現実世界での固有名詞(地名とか、商品名とか、有名人など)はまったく登場しません。
 「むかし、むかし、あるところに‥‥」という〈お話〉なのです。
 社会や風俗を描写し時代を写す…のではなく、純粋な〈物語〉を紡ぎたい、そして風化することなく100年後にも通用する〈お話〉が書きたい、そんな野望を秘めてのことでもあります。

 それはともかく、
乙一さんの小説は面白いので、ぜひ読んでみてください。
 すでにファンだという方は、特に好きな作品など教えてくださいませんか?

 追記:『暗いところで待ち合わせ』、映画化されるんですね~!? どうなるんだろ?



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by seikiabe | 2005-02-08 18:19 | レビュー