〈愛〉の物語
〈激しい恋〉を、〈愛〉だと錯覚している人が、とっても多いです。
世に溢れた〈ラブソング〉や〈ラブストーリー〉のほとんどは、〈恋〉についてのものです。
例の〔世界の中心で叫ばれた〕のも、〈愛〉ではなく、〈恋〉です。
〈恋〉は、楽しく・ときめき・世界を鮮やかに染めてみせ、その一方で悩み・苦しむものです。
〈愛〉は、もっとずっと穏やかで・深く・揺るぎないものです。永遠です。
〈恋〉は〈恋〉でとってもすばらしいものですが、それを〈愛〉と混同するのはやめましょう。

ということで今回は、数少ない〈愛〉の物語の中から、幾つかをご紹介したいと思います。


まずは、『プロポーズの樹』です。
作家にして音楽家でもあり、平和活動に積極的に取り組んでいる、
ジェイムズ・トワイマンという人の作品です。

 「自分の身を捧げることが、この世で唯一本当に大切なことだ」

シンプルで心地よい文体とストーリーに、作者の純粋でまっすぐな
精神が顕れているように思います。
これは、ある1本の樹に捧げられた物語です。
その樹を聖なる場所とした2人。
樹の下で、〈儀式〉として、男は女に〈プロポーズ〉を繰り返します。
彼にとっては、その言葉は全て偽らざる真実の気持ちなのですが、
彼女にとってそれは、やがて現れるはずの〈運命の人〉のための予行演習にすぎません。
それでも、ひたむきに彼女だけを想い続ける彼。
何年も時はすぎ…、やがて彼女に、〈運命の人〉が現れます。
それでも彼は、彼女を、ずっとずっと変わらずに愛し続けます。
そして40年経っても、彼の想いは何一つ変わることはなかった…といった物語です。
ただひたすらに、相手の幸せだけを望み、たとえ離れても、変わらずに想い続けるのが〈愛〉。
そういうまっすぐな美しさに溢れた、〈純愛〉の物語ですね。



続きまして、『きみに読む物語』です。
『メッセージ・イン・ア・ボトル』などでも有名な、ニコラス・スパークスの処女作にして世界的大ベストセラー小説です。
昨年、映画化され、全米で大ヒットいたしました。日本でも来月より公開され、『セカチュー』・『いま会い』の次は、『きみ読む』だ~ッ!
とか、『マディソン郡の橋』を超えた!…などと宣伝中であります。

 「体は死の痛みで弱まるが、
  ぼくの約束は、二人の最後の日まで守られる」

年老いた男が、アルツハイマーに罹って記憶を失った妻のために、自分たちの〈愛の物語〉を話して聞かせ続ける…という物語です。
正直、若き日の2人の〈初恋〉や、その後の再会のドラマは、典型的なロマンス小説のようであまり好みではないのですが、年老いて、互いに死を目前にしながらも、お互いに慈しみ合う現代の2人には涙が溢れます。まさに文字通り、全身全霊を懸け生涯愛し抜いた…という壮絶な〈愛〉ですね。
とっても憧れます。映画もぜひ観たいですね。
こちらのオフィシャルサイトで、予告編その他いろいろご覧になれますので、ぜひどうぞ。



そして、今回最後の作品は、『ケイの凄春』です。
僕が〈心の師〉と仰いでいる小池一夫さんの原作で、小島剛夕さん
との黄金コンビによる大傑作時代劇画です。
お2人の『子連れ狼』に心からの感銘を受け、かつてはマンガ道を
目指した僕だったりもします。
その他、『半蔵の門』や『首斬り朝』などの世紀の傑作についての
レビューも、いずれ必ず書きたいと思っておりまする。
今回ご紹介します『ケイの凄春』は、その〈青春〉を〈凄絶なる愛〉で
染め上げた『ケイ』と『可憐』の、凄まじすぎる〈愛〉の軌跡です。
己の過去も現在も未来も捨てて、ただひたすらに愛する可憐を追う、ケイ。まるで太陽のように激しくまっすぐな生き様に触れた人々は、誰もが強く心を揺り動かされ、自らの人生を考え直します。
そして次第に、多くの人たちが、彼らの再会を我がことのように願うようになります。
それほどまでに、愛だけに生きる2人の姿は、眩しく・尊く・美しいのです。
序盤はずっと、ケイの正体も、その目的も判りません。巻を重ね、彼が無実の罪で投獄された時、ようやく彼らの〈凄春〉の歴史が語られ始めます。
それは想像を遥かに凌駕した壮絶すぎる〈愛の物語〉でした。取調べをしていた役人たちと共に、僕の涙も滂沱のごとく流れて止まりません。なんという〈悲劇〉、なんという〈愛〉!
感動の暴風雨。韓国ドラマが裸足で逃げ出すほど、本当に〈波乱万丈〉な〈純愛物語〉です。
この国にも、世界中に誇れる、これほどのストーリーテラーがいることを、ぜひとも知ってください。
さらに、稀代の天才絵師の描く…人物に、風景に、その線に感動してください。
おそらく誰も知らないであろう作品ですが、今回だけはどうかこの僕に騙されていただいて、ぜひ大型書店かマンガ喫茶に足をお運びくださいませ。
その辺の映画や小説たちが束になろうとも到底敵わないほど、感動のボディーブローを魂に連打される衝撃に充ちた、至高のエンターテインメント作品です。どうぞ、存分に泣いてください。


追記です。今回の記事のきっかけになったのは、なつめさんの記事です。



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# by seikiabe | 2005-01-18 23:39 | レビュー | Comments(87)
前のリラックマ占い

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まだ あきらめませんよ




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今 ジャンプ前なんですよ





『だららん日和 ~リラックマ生活2~』より



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今日のおほしさまは
 今日しかみられませんよ




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    失敗? 人生のほんのスパイスですよ




『リラックマ生活 ~だらだらまいにちのススメ~』より

 
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# by seikiabe | 2005-01-18 00:00 | リラックマ占い | Comments(63)
スピッツ3・『スーベニア』

待っておりました! スピッツの2年4ヶ月ぶりの11thアルバム、『スーベニア』。〈旅の途中〉のスピッツからの〈おみやげ〉です。やっぱりよいですね~。おかげで元気が充電されました!
いや、前作の『三日月ロック』を溺愛していた僕としては、初めて聴いたときは、「う~、なんか違うぞ~」と思っちゃったのですが。望んでいた方向性の音ではなかったもので…。
しかし、〈裏切り〉こそが、正宗さんの真骨頂。またまた新たなる彼らの〈旅〉が始まったということですね。

別の領域に踏み込みをみせたと同時に、〈原点回帰〉とも思わせる懐かしいスピッツの味にもまた存分に溢れているという、重層的で非常に深~い作品になっています。
あまりにも深すぎて、1度や2度聴いたぐらいでは、その全貌が見えてはこなかったのですね。
そして、聴けば聴くほどに、ぐんぐんと、この世界の広がりと輝きにすっかり魅せられていきました。
まあ、聴く回数に比例してよくなるというのは、どのアルバムも全部そうだったんですけどね…。
にしても、このニュー・アルバム、名曲ぞろいですね~。シングルカットしてほしい曲、満載です。
唯一のシングル曲の『正夢』も、このアルバムの中で聴くと、さらに煌めきを増しちゃいますね~。
どの曲がいいとかは、言ってもムダかも。おそらく、10人いれば10人ともお気に入りの曲が違う…というほど、無数に引っかかりどころのあるアルバムです。メロディーも、すっごくキャッチーですし。
〈ポップ〉だの〈ロック〉だの〈ネオ・アコ〉などという括りをあざ笑うかのように、変幻自在・縦横無尽に飛び回るサウンド。今までになく、まっすぐに届いてくる言葉たち。従来のスピッツを超え、そしてもっともスピッツらしいアルバムの誕生です。

   1.春の歌   2.ありふれた人生   3.甘ったれクリーチャー   4.優しくなりたいな
   5.ナンプラー日和    6.正夢    7.ほのほ    8.ワタリ   9.恋のはじまり
  10.自転車   11.テイタム・オニール   12.会いに行くよ     13.みそか

1曲目からいきなりキテますね。あ~、2も3も新鮮だし、バラードもいいです。5も素敵ですね~。7・8かっこいいし、かわいい曲だって切ない曲だってあるし、バリエーションが本当に豊かです。

こちらのUNIVERSAL-Jのサイトで試聴もできますが、断片からでは、解らないと思います…。


そして今回も、歌詞の抜粋でーす! さらに、タイトルをクリックすれば全文が出てきまーす!


   「『どうでもいい』とか そんな言葉で汚れた 心 今放て」               春の歌

   「ああ 心がしおれそう  会いたい」                      ありふれた人生

   「倒れそうな時も心に立っていた 大事な樹だよ 切らないで」    甘ったれクリーチャー

   「君のことを知りたい どんな小さなことも」                   優しくなりたいな   

   「遠慮はしないで 生まれたんだから  炎になろうよ」            ナンプラー日和

   「あの キラキラの方へ 登っていく」                             正夢

   「今 君だけのために 赤い火になる  君を暖めたい」                 ほのほ

   「心は羽を持ってる この海を渡ってゆく」                          ワタリ

   「それは恋のはじまり そして闇の終り  時が止まったりする」         恋のはじまり

   「ペダル重たいけれど ピークをめざす」                           自転車

   「臆病な声で 始まりを叫ぶ」                           テイタム・オニール

   「捨てそうになってた ボロボロのシャツを着たら  外に出てみよう」       会いに行くよ

   「越えて 越えて 越えて行く  命が駆け出す」                      みそか


スピッツをまだアルバムで聴いたことがないという方、これはよいチャンスですよ。
ぜひぜひ聴いてみてくださいませ~。絶対にあなたのイメージとは違うはずです。
〈甘い〉とか〈青い〉とかいうだけじゃないのです。あらゆる味や色が複雑に溶け込み、それでいて
透き通っていて舌にも優しいという不思議な味わいですよ。(栄養価は不明ですが)
とりあえず、5回は聴いてみてください。間違いなく、あなたはもう、ずっと口ずさんでいるはず…。



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# by seikiabe | 2005-01-14 05:53 | レビュー | Comments(42)
ただいま~っ!
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 みなさん、どうもお久しぶりです。
 ご心配いただき、本当にありがとうございました。
 身体がダメなときでも、心が元気でいられたのは、
 こんな僕でも優しくしてくださる人たちのおかげです。
 心から感謝しています。ありがとう♥



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# by seikiabe | 2005-01-11 17:07 | 雑記 | Comments(29)
もうしわけございません…
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 大変ごぶさたしておりますです。
 新年早々ダウンしておりました。
 まもなく復活いたしますので、どうかお許しくださいませ~。
 もしや、もう忘れられてる…??



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# by seikiabe | 2005-01-08 08:48 | 雑記 | Comments(22)
おめでとうございまーす!
おめでとうございまーす!

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# by seikiabe | 2005-01-01 10:33 | 雑記 | Comments(30)
ミス・リディア、愛を語る
ミス・リディア、愛を語る



また1つ、年を取ってしまった朝。今日もわたしは独りきり。
いえ、正確には1人と1羽…かしら。心の友達、ピッキーがいてくれるから。
「おはよう!」  ピッキー、きみは今日も元気そうね。毛のツヤもとてもいいみたい。
わたしは、すっかりおばさんになってしまったわ。今日またさらに磨きがかかったし。
でも、周りが思うほど不幸じゃないのよ。淋しくもない。ピッキーだっているしね。
結婚なんてどうだっていいわ。大切なのは〈愛〉だから。
それは持ってるもの。

‥‥愛してるわ、あなた。

わたしの半分はあなたへの愛で出来ている。残りはあなたとの想い出。
あなたを失ってからの時間が、生きてきた年月の半分より多くなってしまったけれど、
わたしは今日も、そしてこれからもずっと、ただあなたへの愛だけで生きていけるわ。

あなたを失った日のことは、けして忘れられない。
あなたが死んだとき、わたしの心も一緒に死んでしまったから。
残された肉体には哀しみだけが詰まっていて、まったく身動きもとれないほどだった。
涙を流すこともできず、半狂乱のような数日を送ったあと、少しは冷静になった頭で
考えられたのは、「死にたい」…ということだけだった。
あなたのいない世界で生き続けることなんかに、意味があるはずなどなかったもの。

それからの日々は地獄だったわ。
心は死んでしまっていても、肉体としては生きていかなくてはならなかったから。
ときおり、あなたの幻に突然会ったわ。とても鮮明で、香りまでするほどの幻影。
そのたびにまた深い哀しみに胸をえぐられて、心の血が溢れて止まらなくなった。
そんな辛く哀しい日々に耐えられず、早くあなたのところに行きたいと願っていた。

そんなあるとき、あなたの幻が私にこう話しかけてくれた。
「僕の愛するリディア、もう哀しまないで。僕はずっとずっと君のそばにいるから。
 間違っても死のうだなんて思わないで。君には僕の分まで生きてほしいんだよ」

その言葉でわたしもようやく気が付いたの。
わたしが死んだら、あなたがどれほど哀しむだろう…てこと。
だから誓ったのよ。たとえどんなに辛くても、あなたの分までも生きていこう!…と。
わたしは、あなたを愛し続けるために、今日も生きているわ‥‥。

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昼下がりはいつも、近くの公園で過ごすのが日課になっている。
ここには大きな池があって、その美しい水面の揺らぎを眺めてると心が安らぐの。
ピッキーも、この場所ががとっても好きみたいね。

2羽の水鳥が、仲睦まじく泳いでいる。ボートの上で愛を語り合う恋人たちもいる。
わたしたちも、あんな風に寄り添いたいな…て思うときはあるわ。
でもそれは望みすぎというもの。わたしたちの愛は、彼らより遥かに深かったもの。
だから、うらやましくなんてないわ。わたしは、この愛に強い誇りをもっているから。

〈真実の愛〉を知ることなく一生を終える方が、ずっと多いと思う。
誰かが、恋愛に悩んだり苦しんだりするのを見るたびに、そう思う。
「あなたはいったい何を悩んでいるの? 悩み苦しむのは、それが〈恋〉だからなのよ。
 〈愛〉とは、ただひたすらに注ぐもの。だから、何も求めないし、何も悩むことはない。
 〈恋〉に苦しむのもいいけれど、それよりも、〈真実の愛〉を探すことを忘れてはダメよ」
そう言ってあげたいときがある。こんなわたしの言葉など聞く者はいないだろうけど…。

〈愛〉は成就する必要などない。ただ〈愛する〉だけで完結してる。見返りなどいらない。
だから、たとえ相手が愛してくれなかったとしても、問題じゃないわ。
ただひたすらに、愛していればよいだけのこと。
そうよ、もし相手と永久に会えなくなったとしても、哀しむことなんてないの。
変わらずに、ずっとずっとずっと愛し続ければよいだけのこと。
それが、〈愛〉。そうよね、あなた‥?

そんなことを考えているうちに、少しおなかが減ってきてしまった。
そろそろ、バーニィの店に寄って帰る時間だわ。
わたしたちは公園を後にした。

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店にバーニィはいなくて、店番をしていたのは娘のティミーだった。
離婚してから、男手1つで娘を育てているバー二ィ。立派なものだわね。
それに、ティミーときたら、本当にまっすぐないい子に育っている。
だから、お父さんの手伝いだって、よろこんで引き受ける。
「ティミー、元気、だった?」
わたしがそう訊ねると、ティミーは笑顔でうなずいた。
「うん、元気だよ。リディアも元気そうね」
それからティミーは、ピッキーにも声をかけた。
「ピッキー、こんにちは」
「こんにちは」と、ピッキーも返事をした。

わたしは店内を見渡しながら、おやつには何を食べようかな?…と考えていた。
ピッキーはわたし以上に空腹なのか、ずっと豆の入った袋を眺めている。

そのとき、店の電話が鳴り出した。
ティミーが小さな手で受話器を取る。
「え!?」  ティミーの表情が明らかに変わった。
そして、彼女の瞳からは涙がこぼれて落ちた。
わたしはどうしていいか判らなかった。
ピッキーも、心配そうな表情で見つめている。
「そんな~、お父さん、どうしても明日まで帰って来れないの‥?」

そういうことか。何があったかは知らないが、あのバー二ィが娘の顔を見ずにすごす
なんて、よっぽどの事情にちがいない。
ティミーだって、とても淋しいだろう。
わたしは、我が家の夕食にティミーを招待してあげるべきだと思いついた。
我ながら、すばらしいアイデアだわ。
そこで、ティミーからすばやく受話器を取り上げた。

爪で挟むようにして飛び、ピッキーの目の前で、受話器を揺すってみせる。
「ティミー、ごはん、一緒」
わたしがそういうと、ピッキーはようやく察して、受話器を手にした。
バーニィに、娘さんを今晩うちで預かりたい…と説明し始めた。
「ティミー、ごはん、一緒」
わたしがもう一度言うと、ティミーは涙をぬぐって微笑んだ。

ピッキーは、お得意のロールキャベツを作ることに決めたらしい。
鼻歌を唄いながら、材料を選び始めた。

本当はバーニィに食べさせたいだろうけど、まずはティミーからでもいいでしょ?
わたしの心の友達は、とってもいい人だけど、恋愛に奥手なのが心配なのよ。
もっとうまく人間の言葉が話せたら、きみにも〈愛〉について教えてあげたいな。
そう思いながら、わたしはピッキーの肩に止まった。
1人と1羽の生活に、もう2人増えるのも悪くないかもね?…なんて思いながら。

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# by seikiabe | 2004-12-30 04:06 | ショートショート | Comments(31)
『幸福の王子』と『ちいさなくれよん』
「まず自分が幸せでないと、誰かを幸せにすることなんてできない」
そう、おっしゃていた人がいました。
僕は納得できず、反論しました。
僕にとっての〈優しさ〉とは、「自分よりも、相手のことを優先する」ことだったからです。
でも、間違っているのは、僕のほうかもしれません。
ただ、僕にはそんな生き方しかできないのです。

僕の親友は、そんな僕のことを
「あなたって、『ちいさなくれよん』みたいな人よね」…と言いました。
そう言われて、僕自身も深くうなずきました。
「そうだよね。ああいう生き方って憧れるよね」…と。
「僕もいつか、ああして星になりたいな」…と思っています。

という話を彼女にしたら、彼女は
「そっか。わたしは、あなたは『幸福の王子』だと思ってたよ」…と言いました。
それも納得でした。
「でも、『幸福の王子』は、まず裕福だったから、みんなを助けられたんだもんな~」…と、
例の「まず自分が幸せでないと~」という説を思い出し、哀しくなりました。
すると、彼女は続けてこう言いました。
「それで、わたしが、ツバメだからね」…と。
感動しました。彼女には心から感謝しています。本当にいつもありがとう。愛してるよ。

え~、まったくもってエンターテインメント性のないお話でした。ごめんなさい。
最近、どうもこんな感じですいません。
それでは、気を取り直しまして、レビューいたします~。


折れて短くなってしまった黄色いくれよんは、くずかごの中に
捨てられてしまいました。
「お~い ぼく まだかけますよ~」
そう叫んでも、誰も聞いてくれません。
「でも ぼくにも まだできること あるはずだよ」
そう思ったくれよんは、旅に出ます。
そして出会った、色がかすれて消えそうだったヒヨコの絵に、
黄色い色を塗ってあげることにしました。
おもちゃの自動車、道端の石ころ、誰かのことを塗るたびに、
くれよんの体は、どんどんと短くなっていきました。
そしてとうとう、もう豆つぶのようになってしまいました。
すると夜空に、消えそうになっているお星さまがありました。

そこでくれよんは、そのお星さまを塗るために、最期の力を振り絞って飛んでいくのでした。
…というようなお話です。
文章も絵も、今読むと少し古い感じもしますが、とっても素敵な絵本です。
子供たちに、「ものを大切に使おうね」…と教えるための本なのかも知れませんね。
でも、僕はこのくれよんに激しく共感してしまいます。
〈使命〉を果たせたくれよんは、とっても幸せだったろうな~と思います。


そして、オスカーワイルドの『幸福の王子』です。
このお話は有名なので、ご存知の方も多いと思います。
『The Happy Prince』なので、『幸福な王子』とされる場合
もありますね。
あらすじをご覧になりたい方は、『幸福な王子コンサート』
サイトで、紙芝居風になった物語が紹介されていますよ。
ただし原作の小説は、一般的に知られているお話とは、また
少しだけ趣きが違っていて、どちらかというと大人向けの物語
になっていたりするのです。
この写真の本は子供用に直されたものの方ですが、ブクログへのリンクは、原作の方にさせていただきました。


また、こちらの『幸福の王子』のサイトで、原作の方の全文訳が読めるようになってます。
お時間のあります方は、ぜひぜひどうぞ!

今の季節に読むと、また一段と心に染みるお話ですよね~。
王子の〈博愛〉以上に、つばめの〈献身〉に心を打たれますね。
そして、王子とつばめの間の〈愛〉が、とっても美しい物語です。


『自己中心思考』の記事を書いた僕に対して、mikiさんは、
 「〈悪〉と感じるものへ焦点をあてて批判することにエネルギーを使うのではなく、
  〈愛〉と感じるものへ焦点をあてて広げることを選んでいって欲しい」
…と言ってくれました。ありがとうございます。

そこで、このレビューを『自己中心思考』の完結編とさせていただきます。
すべての人の心が、〈愛〉で満ちることを強く願いながら、みなさま~~

Merry Xmas!! & I Love You!!




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# by seikiabe | 2004-12-22 22:09 | レビュー | Comments(30)
おわびと連絡
b0030720_2304819.jpg前回の記事で、『自己中心思考』のその2を予告していたのですが、中止いたします。
実際、記事としてはできているのですが、封印します。
それは、あまりに〈エンターテインメント性〉に欠ける内容だからです。
簡単に言いますと「サンタクロースを信じる心こそ、自己中心思考だ」というものです。そんな話、聞きたくないでしょ?
言いたいことは言っちゃう僕ですが、不快に思われる方も少なからず
おられると思いますので。
ということで、公開するのはやめました。ごめんなさい。 m(_ _)m

 
それから、この下の記事は、僕のブログでもっとも古い記事です。
はっぱさんから、先ほど記事の移動方法を教えてもらって、喜んで試してみた結果です。
でも、一番奥に埋もれてるのもかわいそうになり、もうしばらくここに置いてあげることにしました。
ブログって、コメントやリンクが簡単にできたり、とっても便利なんですけど、古い記事にどんどん日が当たらなくなっていくことだけが、淋しいですよね。(基本は日記ですもんね…)
ちなみに記事の順番を変えるのは、〈編集〉で、〈投稿日時〉を変更するだけでした。(常識?)
みなさんも、昔の記事にもう一度、光を当ててあげてみてはいかがですか?

ついでといってはなんですが、今日、反対にはっぱさんに教えてあげた『ブクログ』ってみなさん、
ご存知でしたか? 知ってる人なら知ってることですけども…。
それは、WEB上に持てる自分の本棚のことなのです。本以外には、CDを並べることもできます。
そして、同じ本やCDを並べている人の本棚が判ったり、別の人のレビューが読めたりもします。
なにより、自分の好きなもので棚を埋めていくのが楽しいですよ。
もし興味をお持ちの方は、こちらのブクログから簡単に登録できますから、ぜひどうぞ!
こちらに僕の本棚がありますので、試しに見ていただければ、どんなものかすぐ解ると思います。
最近は記事に使おうと思った本ばかりで、放置ぎみですが…。

はっぱさんとのやり取りで、自分は普通に知ってるけど、他の人は意外に知らなかったりするって
ことの多さを再認識したので、『ブクログ』についても改めて書かせていただきました。

以上、雑談ですらない連絡事項でした~。

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# by seikiabe | 2004-12-22 00:06 | 雑記 | Comments(17)
天音(あまおと)
天音(あまおと)


 17才にもなって自転車にも乗れないなんてかっこ悪いかな? 

 髪はくせっ毛で背は低い。勉強やスポーツは得意じゃないしギターも弾けない。
 しかも自転車にすら乗れないんだからさ。最低だよね?

 友達はみんなバイクに乗って学校に通ったり女の子と海までドライブしたりしてる。
 僕はこのままでいいんだろうか?

 風の強い屋上で本を読んだり夕暮れの公園で犬や子供たちと遊ぶのは最高さ。
 だけど好きな娘と手をつないで歩くのだって、すごく素敵かもしれない。
 そう思わない?

 だから自分をちょっとずつでも変えていくことに決めたんだ。 
 そのための第一歩。

 ガソリンの臭いやエンジンの爆音なんかにはどうやっても耐えられそうにないし、
 せめて自転車に乗る練習を始めることにしたんだよ。
 誰かに見られたら恥ずかしいから、夜の公園でね。

 そこで彼女に出逢ったんだ。

 冬の澄みきった夜空の下。
 僕は2時間くらいかけて膝とか自尊心に擦り傷をつくった後、すべり台に寝そべり
 月を見ていたんだ。まっぷたつに割れて綺麗な半月だったよ。

 そしたらどこからか優しい音色が聞こえてきたんだ。
 星の光を集めて溶かしたみたいに儚げなメロディー。
 心が揉み解されていくような体が宙に浮かび上がっちゃうような、ちょっと不思議で
 とっても懐かしい感じの調べだった。

  その音に包まれて漂っていたのはどれくらいだったろう?

 やがて笛の響きも止んで静寂と重力が戻ってくる。
 冴えた月がうっすら滲んで見えた。
 僕は、たった今この場所に産まれ堕ちたんだ。
 瞬時にそう確信し、全ての疑問が解ける。 

 ずっと動けないまま、月だけを眺めていた。

「あなた‥‥泣いてるの?」
 その声は笛の音よりもっと澄んでいた。もし月が言葉を発したらこんな風?
「とっても哀しいことがあったのね?」

 僕はゆっくり首を振る。
「‥‥うれしいんだよ。とびっきり素敵なことがあったんだ」
「うれしいこと? ねえ教えて、何があったの?」

「やっと産まれたんだよ……。僕は今ここでね」
「……そうなの。おめでとう!」
 そう言って微笑んだのは、少年のように美しい少女だった。
 その髪が夜に輝いて靡く。

「ねえ、この世界はどう?」
「ああ、悪くないね。柔らかで甘くて暖かい波に溺れてる気分さ。
それに月も眩しい」

 少女はミナと名乗り、そのオカリナは愛した犬の骨から造ったと教えてくれた。

「月光みたいに綺麗な音色だね。また聴きにきてもいいかな?」
 ミナは笑顔でうなずいた。

 だから僕は今夜もこうしてブランコを揺らすんだ。
 月の妖精の奏でる調べを聴きながら。
 
 ……まだ自転車には乗れないんだけどね。


"moonligt singing"

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# by seikiabe | 2004-12-21 22:14 | ショートショート | Comments(12)